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逆襲誓うG大阪FW宇佐美「まだすべてが終わったわけではない」

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[10.31 ナビスコ杯決勝 鹿島3-0G大阪 埼玉]

 完敗を認める他ない試合だった。大会2連覇を目指した昨季の3冠王者であるガンバ大阪だったが、31日に行われた決勝で鹿島アントラーズに0-3で敗れた。

 前半から鹿島に試合を支配され、決定機をつくることができないまま時間は推移していく。この試合が今季のナビスコ杯初出場となったFW宇佐美貴史は、チームが流れをつかめない中でも、何とかゴールをこじ開けようと奮闘した。前半23分には自陣からボールを持ち運び、シュートを放った。しかし、ボールはGK曽ヶ端準の正面を突き、流れを変えるゴールは決められない。

 後半9分にはパスを受けてから素早くシュートまで持ち込むがシュートは枠を右に逸れ、40分のボレーシュートもゴールマウスを捉えることはできなかった。G大阪が放った計5本のシュートの過半数を越える3本を放った宇佐美だったが、得点はゼロ。チームを勝利に導くことはできなかった。

 試合を振り返り、宇佐美は「セットプレーから2発。それとカウンターと。でも、序盤から鹿島の時間帯が続いていた中で、試合を通して押されたままっていう感じでした」と、悔しがる。続けて、何もさせてもらえなかった? という質問に、「そうっすね。決定機もチームとしてはなかなかなかったですし。負けたという感じはします」と、完敗を認めた。

 記者会見で長谷川健太監督は、「どこかに慢心があったのかもしれない」と、メンタル面に敗因があったと話した。立ち上がりから、ほとんど自分たちの時間帯をつくれなかった試合について、宇佐美は単純に相手の方が良かったと振り返る、

「序盤からなかなかギアが掛かっていなかったと思うし、向こうの方が出足もセカンドボールもファイトするところもファイトしていた。慢心があったかはわからないが、向こうの方が良かった。打開しようとしたけれど、前で収まらずっていうのがありました。後ろから前にひっくり返すことがなかなかできない中で、っていう展開が続いていたと思います」

「後半は流れが変わるだろうという考えがありましたけど、主導権は鹿島だった。どういう形で(ゴールまで)持っていこうかと考えてはいましたが、その前にセットプレーでやられた。(点を)取られてからは、前に行くのか後ろにいくのかチグハグの展開になったと思います」

 あと一歩でタイトルを逃したダメージは大きいが、1週間後にはリーグ戦で広島との大一番が控えている。試合前まで2シーズン連続の3冠の可能性も残っていたG大阪だが、この敗戦でその可能性は潰えてしまった。表彰台で喜ぶ鹿島の選手たちをピッチから見上げていた宇佐美は、「久しぶりに負けた悔しさを味わった。表彰台で喜ぶ鹿島の選手たちの姿を目に焼き付けておくことが大事。まだすべてが終わったわけではないので取れるタイトルに向けて全力でやっていきたい」と、次の戦いへ気持ちを切り替えた。

(取材・文 河合拓)

●ナビスコ杯2015特設ページ

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