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[選手権予選]延長後半終了間際に劇的な決勝点!丸岡が4年連続28回目の全国へ!:福井

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[11.1 全国高校選手権福井県予選決勝 丸岡高 1-0 北陸高 テクノポート福井]

 第94回全国高校サッカー選手権福井県予選は1日に決勝戦を行い、丸岡高北陸高が対戦。延長後半アディショナルタイムにMF芹川大希が奪った決勝点によって丸岡が1-0で勝利し、4年連続28回目の全国大会出場権を手にした。

 82年度大会決勝で初めて対峙して以来、決勝でぶつかるのは今回で6回目。昨年は、延長戦でも決着がつかず、再延長とPK戦の末、丸岡が辛うじて全国の舞台に立った。幾度となく熱戦を繰り広げてきた因縁の対決は試合序盤から見ごたえのある展開が続いた。

 先に仕掛けたのは北陸。開始直後にFW嶋津裕真が高い位置で相手のキックオフのボールを奪うと、すかさずエリア左にスルーパスを展開し、走り込んだMF木南優太がクロス。ゴール前で反応したMF三宅勇輝が頭で落としたボールを、嶋津が右足で合わせたが、枠を捉えることができない。前半7分にも左CKからMF高嶋竜輔がヘディングシュートを狙い、こぼれ球に木南が反応したが、わずかに合わなかった。

 序盤は相手のラッシュを受ける格好となった丸岡だったが、以降は「最初は相手に押し込まれたけど、以降はDFの4人がチャレンジ&カバーなど当たり前こと徹底してやってくれたので、相手の攻撃はさほど怖くなかった」(小阪康弘監督)。奪ってからは素早く前線に展開し、FW林健次のポストプレーとMF濱谷昌汰芹川大希が両翼からクロスを上げて、チャンスを伺った。12分に上げた右からのクロスは、GK由田陸に弾かれたものの、逆サイドでDF清水陽生が回収。左コーナー付近のMF有田恭也へと繋ぎ、ゴール前にクロスが入ったが、濱谷のヘディングシュートはゴールマウスを逸れた。

 両者、無得点のまま迎えた後半は、「パスばかりではなく、ドリブルを入れることで相手のタイミングをズラそうと考えていた」(MF友田泰敬)という丸岡が試合の主導権を握ることに。13分には、DF折尾凌太が高い位置でボールを奪うと、素早く右サイドにスルーパス。走り込んだ濱谷のクロスをゴール前で林が合わせたが、シュートは枠の右に逸れた。以降も、前半から繰り返したロングボール攻撃によって相手DFラインを下げ、間延びした北陸の守備を突いたものの1点が奪えず。23分には清水の左クロスが相手DFに当たって、ゴールネットを揺らしたが、ハンドの判定で、得点は認められなかった。北陸も27分に右CKのこぼれ球から波状攻撃を仕掛け、最後はDF梅田亮祐が左足シュートを狙ったが、DFに阻まれた。

 勝敗は80分で突かず、試合は延長戦へと突入。一進一退の攻防が続いたが、両者ゴールネットを揺らせず時間が経過した。だが、時計の針が延長後半10分を示し、誰もがPK戦を覚悟した瞬間、熱戦は劇的な形で決着する。丸岡は左サイドの高い位置でボールをおさめた林から友田へと繋ぎ、ゴール前に浮き球のパスを展開。PAで待ち構えた芹川のループシュートが、ゴール左上を射抜くと、直後にタイムアップ。激戦を制した丸岡が28回目の選手権出場を手にした。

 丸岡はこの試合、DF道木宏明が「準決勝でうまく試合を運べていなかったので、勝てるか不安だった」と口にしたように、苦しい展開を予想していた。加えて、新人戦の決勝でも両校は対戦した際は試合終了間際の得点で北陸が勝利。小阪監督も「この試合もやられるかなと心配していた」という。いつ集中が切れてもおかしくない試合を制することができたのは、「選手権に出たいという想いが強かったから」(道木)。苦しみながら、出場権を掴んだ全国舞台に向け、友田は「1回戦から一つ一つしっかり勝って、上位を目指したい」と意気込んだ。

(取材・文 森田将義)
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