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大荒れの大一番…広島快勝も第2S優勝はお預け、G大阪は年間4位転落

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[11.7 J1第2S第16節 G大阪0-2広島 万博]

 サンフレッチェ広島は敵地でガンバ大阪に2-0で勝利した。終盤の大一番を制した広島だが、第2ステージで勝ち点3差の鹿島も勝利したため、第2Sの優勝はお預けとなった。敗れたG大阪は年間順位でチャンピオンシップ圏外の4位に後退した。

 第2ステージは今節を含め、残り2節となった。チャンピオンシップ出場圏内の年間3位以内を目指すG大阪と、第2ステージの優勝が決まる可能性があり、年間一位の広島の対戦とあって、チケットは前売りで完売。運命のキックオフは14時、J1全9試合が同時刻に開始された。

 2週間ぶりの再開となるリーグ戦だが、G大阪はナビスコ杯決勝を消化した。しかし鹿島に0-3で大敗。ACLとの続けざまの逸冠となったが、引きずるわけにはいかない。G大阪はナビスコ杯からDF西野貴治に代えてDF岩下敬輔、MF阿部浩之に代えてMF井手口陽介と、先発メンバー2枚を変えて臨んだ。

 対する広島は休養十分。勝てば鹿島が横浜FMと引き分け以下、引き分けても鹿島が敗れれば、第2ステージの優勝が決まる一戦。10月24日の甲府戦から先発メンバー変更なしで大一番に臨んだ。

 固い前半になった。序盤、ややボールを持ったのはG大阪だった。前半15分には左サイドからのパスをスルーして裏に抜けたFW宇佐美貴史が決定機。しかし右足で狙ったシュートはコースも甘くGK林卓人にセーブされてしまった。

 広島はJ1最多得点記録更新の期待がかかるFW佐藤寿人にボールを集めて先制点を狙う。しかし前半21分の右サイドから出たボールを押し込むが上手くミートせず。同29分には青山が中盤から早いクロスを入れて佐藤を狙うが、クロスはわずかに合わず、頭上を越えて流れていった。

 前半33分、“事件”が起こる。G大阪DF井手口陽介とのハイボールの競り合いに、アフター気味に入った寿人に対し、イエローカードが提示される。佐藤がイエローカードを受けたのは、2009年10月25日、J1第30節の川崎F戦の後半36分に受けて以来で実に6年ぶり。これまでフェアプレー個人賞を3度受賞している佐藤への警告に、スタンドもどよめいた。

 前半をスコアレスで折り返した両チーム。リズムよく後半を立ち上がったのは広島だった。開始30秒、MFミキッチのクロスが左サイドに流れると、MF清水航平が左足でゴールを狙う。枠外に外れたが、勢いよくG大阪ゴールに迫る。すると後半10分、ゴール前に勢いよく侵入したFWドウグラスが岩下に倒され、ゴール前でFKを獲得。ドウグラスが左足で直接突き刺し、試合を動かした。

 先制されたG大阪。直後に井手口を下げてMF阿部浩之を投入する。しかし更なる試練が襲う。GK東口順昭が右ひざを抑えながら倒れ込む。メディカルがすぐに入って処置をするが、「×」マークが出される。アクシデントで2枚目のカードを切らざるを得なくなり、GK藤ヶ谷陽介がピッチに送り込まれた。

 しかし今度は広島側にもアクシデントが襲う。DF水本裕貴がCKの競り合い、岩下とぶつかった時に倒れ込んでしまう。治療を続けたが、プレー続行は困難と判断され、担架でベンチ裏へと運ばれていった。後半20分に交代でDF佐々木翔が投入された。

 G大阪は後半30分に3枚目のカードとして岩下を下げて、MF大森晃太郎を投入。攻撃の枚数を増やして、同点弾を目指す。後半35分にはビッグチャンスを迎える。センターライン付近から阿部が左足でロングパス一本。最前線の宇佐美まで届くパスを送る。宇佐美は反転でDFを外すと、GKと1対1に。しかしシュートは枠左に外れていった。

 そして後半43分には前節の甲府戦で3年ぶりのゴールを決めていたMF清水航平が、2試合連続弾を蹴り込みダメを押した広島。第2ステージの勝ち点3差で追う鹿島が横浜FMに勝利したため、優勝決定は最終節までお預けとなったが、優勝に大きく前進した。そして年間一位をキープしている。

 一方のG大阪は後半45分にパトリックがレッドカードを貰ってしまうなど、踏んだり蹴ったり。柏を1-0で下したFC東京にも年間勝ち点でかわされ、チャンピオンシップ圏外の年間4位に転落した。

(取材・文 児玉幸洋)
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