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「出来れば一生貰わずに…」6年ぶりイエローカードに寿人も悔しさいっぱい

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[11.7 J1第2S第16節 G大阪0-2広島 万博]

 “事件”だった。前半33分、サンフレッチェ広島FW佐藤寿人は、ハーフウェー付近で浮き球となったボールに反応した。しかし競り合ったMF井手口陽介に対し、アフター気味に入ってしまったことから、判定はファウルになる。そして飯田淳平主審は、迷わずイエローカードを提示した。

「みんなに言われましたよ。『初めて見た』『罰金ね』って。193試合で止まった?自分の中ではイエローに値するプレーではなかったと思いますけど、レフェリーがそういう判断をされたので、しょうがないなと。でも、チームが勝つために体を張った結果なので。勝ったことが一番です」

 佐藤のイエローカードは、2009年10月25日、J1第30節の川崎F戦の後半36分に受けて以来で実に6年ぶり。連続無警告は193試合でストップした。これまでフェアプレー個人賞を3度受賞している佐藤への警告に、スタンドもどよめきが起こった。

「出来れば一生貰うことなく、辞める時までイエロー貰わずにと思ってたのですが。でも193試合もイエロー貰わずにプレーして、そして結果を出せている。自分だけの力ではないが、チームとしてのフェアプレーの中で結果が出せているので、やっているサッカーが関係しているのだと思います」

 勝利した広島だが、第2ステージ優勝決定は最終節までお預けとなった。ただ大きく前進したことには変わりない。「勝つために戦った結果。勝ったことが一番」と笑顔を見せた佐藤。しかし、「試合前に監督からも今日は肉弾戦だと、体を張らないといけないと言われていた。出来ればイエローを貰わない方が良かったですけど」と再びイエローカードに言及。苦笑いを浮かべながら答えていたが、最後まで悔しさは隠せなかった。

(取材・文 児玉幸洋)
●[J1]第2ステージ第16節 スコア速報

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