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[選手権予選]「完璧なゲーム運び」で神戸弘陵が芦屋学園を圧倒。2年ぶりの全国出場を掴む:兵庫

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[11.8 全国高校選手権兵庫県決勝 芦屋学園高 0-2 神戸弘陵高 ノエスタ]

 第94回全国高校サッカー選手権大会の兵庫県予選は8日、決勝戦を行い、初の全国出場を狙う芦屋学園高神戸弘陵高が対戦。前後半に1点ずつ奪った神戸弘陵が2-0で勝利し、2年ぶり9回目の選手権出場を決めた。

「ボールを保持して、相手の守備を走らせる。ゴール前を崩して点を獲るのがうちの形。準決勝同様にほぼ完ぺきなゲームができたので、良かったと思う」。谷純一監督が胸を張ったように、神戸弘陵が圧倒的なゲーム運びで、芦屋学園をねじ伏せた。

 開始から、1トップのFW樋口善史を前線に残し、10人で守りを固める戦法に出た芦屋学園に対し、神戸弘陵は後方からのパス回しで主導権を握りつつ、サイドチェンジで相手を揺さぶり、チャンスを伺った。前半13分には、左から中にしぼってボールを受けたDF大隅育志がPA右に浮き球を展開。ゴール前の密集を抜けたボールをMF安達敬祐が胸トラップでコントロールし、ボレーシュートを狙ったが、枠の右に逸れた。

 開始から一方的に押し込む状況で、怖いのは前がかりになった所をカウンターで突かれる形だったが、主将のDF中濱颯斗を中心に冷静に対応し、芦屋学園にチャンスを与えず。17分にはMF下山祥志が自陣右でのボール奪取から前進すると、縦のスペースにパスを配球すると、走り込んだFW土井智之のシュートがGKのファンブルを誘い、右CKを獲得した。キッカーはFW入谷子龍。近くにいた下山に預けて、リターンをゴール前に入れると、相手DFのマークを外したMF谷後滉人が頭で合わせて、先制点を奪った。

「相手が守備を固めてくるのは分かっていたので、セットプレーで1点獲れればと思っていた」(谷監督)という理想的な形でリードを奪って試合を折り返した神戸弘陵は、後半も攻撃の手を緩めず。テンポの良いパス回しによって、走り回され、運動量が落ちた芦屋学園を押し込み続けた。

 後半7分には、左サイドの大隅からハーフウェーライン中央付近にパスが繋がると、中濱が反応。「受けた瞬間に入谷の『シュート』という声が聴こえたので打った。まさか入るとは思ってなかった」と勢い良く遠目から放った一撃がゴール右下に突き刺さり、スコアは2-0に。以降も、途中出場のMF竹村史明がチャンスを作るなど最後まで攻撃の姿勢を示しつつ、長身DFの中山洋人を前線に上げた芦屋学園の攻撃を防いで逃げ切りに成功。入谷は「3点以上奪って、無失点で試合を終えるという今年の目標ができなかった」と反省を口にしたが、スコア以上に充実した試合内容だったのは間違いない。

 昨年は新人戦、県総体の2冠を達成した神戸弘陵だったが、選手権出場は掴めず。夏以降、スタメンが固定した影響で、競争力を欠いた昨年の反省を踏まえ、今年は積極的に選手を入れ替え、競争を促すことで選手権出場に備えてきたという。「勇気を持ってスタメンを代えたり、途中出場で使うことで、僕らがイメージする以上に子どもたちが伸びてくれた」と谷監督が目を細めたように、し烈な争いによって、選手たちが大きく成長。対戦相手のタイプによって、違う特徴を持った攻撃の選手を臨機応変に使える選手層に厚さが2年ぶりの選手権出場に繋がった。

 試合後のミーティングで谷監督を始めスタッフのほとんどが「うちの武器は競争力」と話したように選手権出場はゴールではない。一息つく間もなく、110人の部員全員で30人の登録メンバー入りを争うサバイバルが始まる。目標である「全国ベスト4」に向け、チーム一丸となった戦いはここからが本番だ。

(取材・文 森田将義)
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