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[選手権予選]見せた全国総体2勝の経験、後半2得点の明徳義塾が連覇:高知

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[11.8全国高校選手権高知県予選決勝 明徳義塾高 2-0 高知商高 春野陸]

 第94回全国高校サッカー選手権大会高知県予選の決勝戦が8日、高知県高知市の高知県立春野運動公園陸上競技場で行われ、5年ぶりの出場となった全国高校総体で2勝した実績を糧に2年連続6度目の選手権を狙う明徳義塾高と、2年ぶり4度目の選手権出場を目指す高知商高とが激突した。

 スコアレスでの延長戦でも決着付かず、PK戦4-1で明徳義塾が制した総体県大会準決勝以来の対戦となった両校。前半はその戦いを再現するような重い時間が続く。

 高知商・松本一雄監督はこの試合、2トップの一角、中越一誓(3年)を左サイドの中盤に落し、塩田拓実(3年)を頂点に配する4-2-3-1システムで、4-1-4-1システムを用いる明徳義塾のストロングポイントのひとつ「ドリブル突破」をまず抑える戦術を選択。これにより明徳義塾は前半、全国総体3得点のMF三田村基俊(3年)やエースナンバー10番を背負う佐々木敦河(2年)が前半シュートゼロに終わるなど、思うような形でボールを持たせてもらえない。「(出足が)止まりすぎや」。小松晃監督がタッチライン際から発する指示もやや焦りが伴う。

 それでも明徳義塾には國學院久我山高(東京)、桐生一高(群馬)を破った全国総体を経て頼るべきものがあった。「全国でプレッシャーのかかった場面でやっているのでパスミスとかがあってもあわてなかった」とCB舛田凱(2年)が胸を張る堅守。時にはラインコントロールを用い、時には接点で戦う判断力が冴え渡り、高知商攻撃陣に決定機は許さず。前半40分をスコアレスで折り返すことに成功する。

 ハーフタイム。両校ベンチが動く。高知商は予定通りスーパーサブのFW堀見勇貴(3年)を投入。対する明徳義塾は「もっとゲームをコントロールしろ」と主将のアンカー役・禹滉允(3年)へ檄を飛ばし、中盤のローテーションを明示した上で、MF大田陸(2年)を左ウイングへ送り込む。その結果、明徳義塾が圧力を強めた後半19分、ついにスコアが動く。

 自陣右サイド深くでボールを奪った明徳義塾・右SB岡崎郁矢(3年)。「狙って蹴って状況をひっくり返す」チーム戦術を理解していた彼は「抜け出しを狙っていた」FW竹内優太(2年)の動き出しを見逃さなかった。ロングボールにスピードを上げ、相手DFと競り合いながら竹内が振りぬいた左足から放たれた低く強いシュートがゴールネットを揺らし、明徳義塾が先制。続く22分、MF江口隆史(1年)のカットインからの右足シュートが相手DFに当たってループ気味に追加点となったのも、竹内の先制点が相手の判断を狂わせたことにより生まれたものであった。

 そして響き渡った長いホイッスル。喜びと安堵半々の表情を浮かべる明徳義塾サイドと、80分間戦術を貫けなかった悔恨の涙を流す高知商サイドのコントラストが交錯する中で、明徳義塾の2年連続6度目となる選手権出場は決まった。

「前回は4年ぶりだったので経験することが一番だったが、今年は勝ち取って次につなげるようにしたいです」明徳義塾・小松監督は10年ぶりとなる選手権1勝への抱負を語りながら、こうも付け加える。「プリンスリーグの中でいろいろな選手たちを使って、選手権のメンバーは選んでいきたい」。

「インターハイのベスト16で慢心した雰囲気が出たが、準々決勝・土佐戦(スコアレスで延長戦・PK戦で勝利)後のミーティングでチームが引き締まった」(主将・禹)失敗はもう繰り返さない。全国総体に続き、全国選手権で再びベスト16に入り、全国に明徳義塾の名を轟かすために、彼らの戦いは内なる部分からもう始まっている。

(取材・文 寺下 友徳)
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