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[MOM1587]東福岡MF中村健人(3年)_「ヒガシの10番」がFK弾含む2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.8 全国高校選手権福岡県予選準決勝 東福岡高 3-0 九州国際大付高 レベスタ]

 一昨年の10番・MF松田天馬(現鹿屋体育大)はU-18日本代表候補に名を連ね、昨年の10番・MF中島賢星はU-18日本代表を経験して横浜FM入りを果たした。今年、東福岡高の10番を背負うMF中村健人主将(3年)は年代別代表歴はないものの、彼ら同様に欠かせない存在となっている。全国高校総体2連覇に主力として貢献し、2年連続で大会優秀選手。全国トップクラスのMFがこの日「ヒガシの10番」の実力を見せつけてチームを決勝へ導いた。

「初めてかもしれない」というヘディングシュートでの先制点とFKでの鮮やかなゴール。チームの崩しを含めて「理想のゴールでした」と振り返った前半23分の先制点は、開始2分にスルーパスで抜け出しながらも決め切ることのできなかったことを取り戻す一撃となり、1-0の後半17分に決めた2点目のゴールは森重潤也監督が「次の1点がウチに転がり込んだのはゲームの流れをつかむ上では大事だったと思います」と讃えたゴールだった。

 そのFKは咄嗟に思いついたという指示も含めて頭脳的なゴールでもあった。FKのポイントには中村とレフティーのMF橋本和征が立っていたが、相手DFが築いた壁の前でFW餅山大輝がフラフラと左右に動く仕草。これは配置が決まらなかったのではなく、中村の指示によるものだった。「餅山が相手の目線を意識させておいて、橋本がまたいですぐ蹴る」。壁の意識をキッカー以外に向けさせておいて橋本がボールをまたいでフェイントをかけると、すぐさま助走を切った中村が割れた壁の間を見事に射抜く右足シュート。トリックプレーFKが決まって2-0となった。

 中村は2つの得点シーン以外にも左右両足から出されるラストパスで再三ビッグチャンスを演出。プレッシャーをかわす1タッチパスが幾度か相手に引っかかっていたが、何気ないパスによる組み立てから、セットプレーでの精度高いキック、2列目からの飛び出しやアプローチスピードの速いディフェンスなど存在感十分のプレーだった。それでも個に頼るのではなく、チームの中で活かし、活きること。「賢星クンとはプレースタイルは違うし、追いつくのは難しい。自分なりに自分たちの色を出せるように意識している。今年のプレースタイルをよく理解した上で、最大限意識したチームをつくっていきたい」。際立ってミスの少なかった松田よりもまだミスは多い。それでも自分なりに個を発揮しつつ、周囲を活かして、チームを勝たせる存在になることを第一に考えている。

「全国や大学とか上のステージでやっていくにはまだ足りない」と自己分析している10番が現在磨いているのは個の質の向上。そして「練習では意識していて、エゴになり過ぎないように。最近ドリブルも意識している」という突破の部分だ。より周囲に気を配ってプレーすることも、汗かき役になっていくことも求められる中で自身のレベルアップを果たし、自信を持つ攻撃の組み立て、キックなどの特別な部分も発揮していく。

 目標の日本一へ向けて第1関門の福岡制覇まであと1勝。「去年、あまり何もできていなかった。自分たちの代で引っ張って示さないといけない。決勝もその気持ちでやりたい」という気持ちで決勝を戦う。

(取材・文 吉田太郎)
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