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日本vsシンガポール 試合前日のハリルホジッチ監督会見要旨

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 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が11日、シンガポール市内のホテルで記者会見を行い、12日のW杯アジア2次予選・シンガポール戦に向けて意気込みを語った。

以下、ハリルホジッチ監督の会見要旨

バヒド・ハリルホジッチ監督
「今年最後の2試合になる。この2つの試合を成功で終わりたいと思っている。我々には目的がある。その目的は2試合に勝つということだ。シンガポールとの最初の試合は我々にとって苦い経験だった。この試合に関して、たくさん話してきた。選手はリベンジのために戦うと思う。もちろんシンガポールも彼らの国民のために戦ってくると思うし、我々の選手もしっかりとしたクオリティーと決断を持って、勝つことにトライしてくれると思う。すでにスピーチもして、準備もしてきた。何人かの選手が少し疲れているので、難しいかもしれない。特に欧州から来た選手。時差もあるし、睡眠も十分に取れていない。暑さもある。そのために何人かの選手は疲労している。だれがプレーするかは明日決める」

―選手にはどんな言葉をかけたのか?
「昨日、タクティクスのトレーニングをした。2つのソリューションを彼らに話した。ただ、何人かの選手が疲れている。11月というのは日本のシーズンが終わりかけているし、厳しい時期になる。たくさんの試合があるし、特に移動が我々に問題を起こしている。昨日、タクティクスのトレーニングをしたが、今朝はビデオを使ってミーティングをした。相手がどのようにプレーしてくるかを見せたし、彼らの長所と短所を見せた。さらに昨日、ここまでやってきたまとめを少しした。まだ終わっていないが、たくさんのことを話してきた。

 この試合に関してはリベンジだと思っている。選手に要求したのは『確固たる決意を持ってこのリベンジをやっていこう』ということ。『この試合に入るやる気を見せてくれ』と。しかも相手のホームでの試合。(6月の)1試合目よりも状況としては難しくなるだろうという話もした。ただ、我々の選手はしっかりしたクオリティーと経験を持って、この試合を突破してくれると思う。しっかりとした決意を持って勝利を探しにいかないといけないという話をした。今日の夜と明日の朝にかけて、選手とまた話をする。ただ、だれが試合に出るかは、今日の夜のトレーニング後の決断になる。疲労し過ぎている選手に関してはリスクを取りたくないと思っている。最終決断は今日の夜もしくは明日の朝にしたい」

―アジア2次予選という格下相手との試合は、世界での試合とはまったく別物なのか。それともつながっていく部分があるのか。
「もちろんレベルは違う。同じ準備ではない。W杯はまた別になる。それは比較できない。ただ、W杯の予選に軽い試合はない。我々より格下の相手だとしても、前もって勝てる相手はいない。それはみなさんも1試合目のシンガポール戦で見たと思う。勝つためにすべてを出したが、勝てなかった。リアリストになり切れなかった。仕留めることができなかった。選手にそこまでプレッシャーをかけたくないが、もっと決断してくれ、もっと決意を持ってくれという話をしている。

 今年はできるだけすべて勝とうと言った。第2段階として、最終予選が待っている。そこではさらに相手が強くなる。どのようにプレーするかは各試合で準備が違う。高い位置でブロックを取るのか、低い位置で取るのか。それはゲーム支配によって違う。時々はブロックを低くし、カウンターアタックを狙うことも必要だろう。これまでのところ我々の対戦相手はかなり低いブロックを敷いてきている。9人、10人のブロックを敷いて、それに対して得点を取るのはかなり難しくなっている。こういうタイプの試合ではできるだけ早く点を取ることが大事になる。ただ、それができなかったときに自信を失わないようにしたい。アグレッシブに点を取りに行くことを続けないといけない。

 昨夜、我々が向上すべきことについて選手に話した。センタリング、センタリングに合わせること、フリーキック、ミドルシュート、最後の30mのところでの爆発的なスピード。そういったことをまだまだ向上させないといけないという話をした。このチームはまだまだ向上する余地がたくさんあると思う。W杯はまた別になる。もし我々が本大会に行くことが決まれば、それについて話したいと思う」

―前回の試合のリベンジということだが、1-0の勝利で十分か?
「まず勝たなければならない。一番大切なのは勝つこと。ただ、我々のチームがよりたくさん点を取ることも期待している。そのために確固たる決意とやる気を見せないといけない。そういったことを私のチームに期待している。もっと向上したいと思わないといけない。例えば、得点を取れるなら、もっと取らないといけない。我々の目的に対して何をしなければいけないかは知っている。次の最終予選に向けて準備しないといけない。相手はより強くなる。そのための準備。我々より強くない相手と試合をするときに、できるだけたくさん点を取りに行く姿勢は大事だ。もっと行けるんだという気持ち。それが選手とチームのモーターにならないといけない。できるだけ頻繁に攻撃したい。そして得点を取りたい。それが私の哲学でもある。ただ、フットボールで一番難しいのは得点を取ることだ」

―日本を含めたアジアの国々はなぜブラジルW杯で悪い結果に終わったのか?
「おっしゃるように、アジアの国々は前回のW杯で大した結果を出せなかった。W杯のレベルにあるチームに対して、アジアの国々はまだまだそこに対抗する力を持っていないかもしれない。日本の前回の(W杯の)試合を見た。私にとってそこからかなりの情報が得られた。次のW杯の準備のためにだ。まず予選を突破しないといけないが、昨日、選手と話した。どのような分野で我々が向上しないといけないか。我々がどこで向上できるかは完璧に把握している。それはフィジカル面もあるし、タクティック面もあるし、メンタル面もテクニック面もある。プレーのスピードを持ってやることが大事だ。前を向いたときのスピード。そうすることでどのような国のディフェンスも崩せる。それをやっていきたい。このチームのクオリティーを把握している。ただ、短所も把握している。例えば、メンタル面。日本のチームは相手をリスペクトし過ぎではないか。自分自身に少し自信が足りないのか。

 この前、日本のラグビーについても話した。ラグビー日本代表チームのスタッフの話も読んだ。世界一を取ったことのある南アフリカとの試合に向けて、6か月準備した。W杯で勝利を挙げていなかったチームだ。その代表監督が言ったのは、世界一のチームに勝つぞと。そういったメンタル、心理面の準備が大切になる。そして、彼らはものすごいことをやった。それは我々にとっても良い例になる。

 W杯というものは、このチームにとってものすごく良いテストになる。すべての準備ができていないといけない。メンタル、フィジカル、タクティック、テクニック。それがハイレベルでなければ、突破できない。それに関してアジアの国々は少しレベルが低いのではないか。ただ、オーストラリアはフィジカル的には高いレベルにある。ただ、他の部分を向上させないといけない。日本に関してもいろんなことを把握している。ただ、まだすべてを発見できているわけではない。クオリティーはある。短所も把握している。我々はW杯の準備をしている。ただ、あと数年、トレーニングしないといけないことも分かっている。W杯は4年かけて準備しないといけない。1か月ではない。私の計画は私自身、把握しているが、そういったことも昨日、選手に話した。それに関して私はすでに経験がある。最初の(グループリーグの)3試合に向けても6か月準備した」

(取材・文 西山紘平)

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