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ただ一人の“本職右SB”酒井宏樹はクロスの質を反省

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 一夜明けても反省が口をついた。日本代表DF酒井宏樹(ハノーファー)は12日のシンガポール戦(3-0)を振り返り、「昨日は崩しの部分で上手くいっていたので、あとは僕の仕上げの質のところだった。そこは練習するしかないが、うまくいかなかったのが現実だった。良いクロスを上げることができなかった」と悔しそうに繰り返した。

 チーム全体としては、FW本田圭佑とFW武藤嘉紀が相手を身長で上回っていることを計算し、ファーサイドへクロスを上げ、セカンドボールを狙うという意図を共有していた。前半20分のFW金崎夢生の先制シーンは、本田のクロスを逆サイドの武藤が折り返して生まれたもので、まさに狙いどおりの形だった。

 酒井もこの流れに乗っていきたかった。ところが、2-0とリードしたあとの前半31分、MF柏木陽介と本田が巧みなパスワークで敵陣を崩し、オーバーラップした酒井がクロスを上げたシーンでは、精度が低く、GKイズワン・マフブドがキャッチ。決定的なシュートシーンを演出することは最後までできなかった。

 今回の代表メンバーはFW登録の選手が7人呼ばれ、DFが通常より一人少ない7人。右サイドバックを主戦場とする選手は酒井だけだ。「長谷部さんもできるし、(遠藤)航もできますから、いろいろな選手がいる中でのサイドバック。監督はFWを呼びたかったということだと思う」と、酒井自身は控えめだが、本職としてのプライドはあるはず。質の高いクロスへ、期待は募る。

(取材・文 矢内由美子)

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