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[MOM1592]神村学園FW高橋大悟(1年)_“屋久島の星”注目ルーキーが雨中で技術魅せ、決勝弾も

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.13 全国高校選手権鹿児島県予選準決勝 出水中央高 0-1 神村学園高 鴨池]

 雨中の難しいコンディション。グラウンダーの速いボールも、浮き球も一つひとつ丁寧なボールコントロールで足下に収め、一瞬でDFの前方へ抜け出すドリブル、威力のあるミドルシュートでも存在感を放った。そして、1年生ながらプリンスリーグ九州で得点ランキング3位につける11得点をマークしているFWは、ゴール嗅覚を発揮して決勝ゴール。神村学園高は屋久島出身の注目ルーキー、高橋大悟の奪った1点によって決勝進出を果たした。

 前半32分、高橋は右サイドでボールを受けると中央へ切れ込む素振りを見せてDF2人を引き付けると、後方から走りこんできたSB七呂拓実へ足裏パス。これで一気にDFラインを破った七呂が強烈な右足シュートを放ち、GKが弾いたボールを「あのゴールシーンは自分のFWとしての勘が当たったというか。あとはフカさないように、相手に当てないようにしっかりとゴールに流し込めた。考えて打った」という高橋が得意の左足で正確にゴールへ流し込んだ。

 神村学園中時代の13年にU-14日本選抜の一員として韓国遠征も経験している注目FWは高等部進学直後から公式戦でFWのポジションを任されてきた。それでも登録163cm、52kgと小柄なFWが対峙する3年生や長身DFたちに勝つことは容易ではない。それでも単調なスピード勝負を挑むのではなく、シンプルにさばくプレーを織り交ぜながら、チャンスがあれば細かいタッチのドリブルで相手の重心をずらし、突破して決定的な仕事をしてのける。選手権予選でもエース級の活躍を見せているが「FWとしての勘をもっと出していければもっと点をとれると思うのでそうなっていきたい」と成長へ貪欲。有村圭一郎監督が「面白い選手だしすごくいい選手。体格はないですけど、センスは抜群」と語り、過度になりすぎない期待を込めるFWは、チームメートからも「足下もパスも上手い。得点に絡んでくる」(中島宏大主将)と信頼される存在となっている。

 屋久島の宮浦小学校では6年生までサッカーとともに野球にも打ち込んできた。ポジションは主にショートを守りつつも「ほとんどやりました」。そのスピードと出塁率の高さから打順は1番を打っていたというが「サッカーで上に行きたい」とサッカーで勝負することを選択。「上を目指したいというのと自分の夢がプロなのでそこに近づけるならばそこかなと思って」神村学園中、神村学園高に進学し、今年高校選手権に挑戦している。

 屋久島出身の選手が成し遂げていないというJリーガー、日本代表になっていくことが目標。その可能性を広げるためにも選手権で全国大会に出場しなければならないと考えている。「夢の舞台なので、ただ単に夢で終わりにしたくない。モノにしたい。全国に出ないと夢に近づけないと思うので、鹿児島県で終わりじゃなくてここで突破して全国にいきたい」。大志を抱く“屋久島の星”が決勝でも貴重なゴールを決めて、チームを全国へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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