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[選手権]市立船橋MF椎橋「相手が感じたことのない切り替え」で全国へ

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 全国屈指の最激戦区、千葉県予選を2年ぶりに突破した市立船橋高(千葉)。15日に行われた、ライバル流通経済大柏高との決勝では、3-0で完勝、2-0から3点を許し逆転で全国への切符をさらわれた昨年のリベンジを果たした。キャプテンのMF椎橋慧也(3年、ベガルタ仙台内定)、エースのFW永藤歩(3年、モンテディオ山形内定)、プロ内定2選手をスタメンから欠いた中での勝利だった。翌16日、第94回全国高校サッカー選手権大会の組み合わせ抽選会に出席した椎橋は欠場の理由を「右足首のケガ」と説明。「現状はほぼ完治に近い」ため、12月末に開幕する選手権には支障がないという。

「自分たちのプレーをできればいいんですけど、なかなかできないと思うので、そういう中でも、1点でも多く取って、最後に勝っているのが市船」とチームの強みを語ったキャプテンは、来る選手権に向けての課題も口にする。「いままで惜しい場面で終わっているところがあって、決め切れないところがあった。決め切れればゲーム運びが楽になると思う。シュートの精度もあると思うんですけど、相手に足を出される前に打つとか、積極的なプレーを心がけたい」。一方、県予選で手応えがあった点として「取られた瞬間に取り返す守備」を挙げた椎橋は、全国に向けて「相手が感じたことがない切り替えで、自分たちが奪えるようにしたいです」と本番ではさらに精度を高めていくつもりだ。

 そして、椎橋が「リベンジしないといけない」と力を込めたのは、同じブロックに東福岡高(福岡)がいるからだ。今夏の総体決勝で市立船橋は昨夏王者の東福岡と激突、PK戦の末に敗れた。そして迎えた選手権、2回戦から登場する市立船橋は、順当にいけば続く3回戦で東福岡と当たることになる。しかし、先を見据えることなく椎橋は「緒戦が大事」と気を引き締めた。「まず米子北に勝たないとヒガシとできないので、良い準備をしたいです」。

「正直、ビックリした」。夏の総体準優勝校との対戦を引き当てた米子北高(鳥取)のMF小長裕也(3年)主将は、その瞬間戸惑ったというが「格上の相手ですが、自分たちの特徴である堅守速攻を磨き上げて勝ちたいです」と、抽選会終了後には意気込みを語った。

 今夏のインターハイで8強まで勝ち進んだ米子北は、迎えた立正大淞南高(島根)との“山陰対決”にPK戦の末に敗れた。「負けて悔しかった」という気持ちは当然あったが、「ベスト8までいって、満足したという気持ちもあった」という。「もう1回自分たちは挑戦者として、選手権を戦いたい」とキャプテンの小長は決意を明かす。

 6年連続で選手権の舞台に立つ米子北。昨季に続く2度目の選手権を前に、小長は目標を口にする。「去年は2年生だったので、3年生の人たちために戦いたいという気持ちでした。今年は最後なので、メンバーに選ばれなかった人たちのために戦いたいという気持ちもあります。しかもキャプテンなので、どんな相手だろうと勝って、日本一を決めたいです」。

 今夏に好成績を残した両軍による一戦は、1月2日の2回戦、フクダ電子アリーナを舞台に行われる。

[写真]2回戦から登場する市立船橋のMF椎橋主将(左)と米子北のMF小長主将(右)

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 奥山典幸)
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連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015

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