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幼馴染の不思議な縁、愛媛育ちの明治大FW藤本と慶大DF久保は岡山で再びチームメイトに

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 幼馴染の不思議な縁。明治大のFW藤本佳希(4年=済美高)と慶應義塾大のFW久保飛翔(4年=済美高)は小学校4年生時からの幼馴染だ。愛媛ジュニアユースで約1年間ともにプレーし、済美高で再会。大学時代に明治大、慶應義塾大とそれぞれの道を歩んだが、ともにファジアーノ岡山への入団を内定させた。5年ぶりに同じユニフォームへ袖を通すことになる。

 2人は小学4年生のときに初めて出会った。愛媛FCのスクールでともにボールを追いかけると、小学校卒業とともに揃って愛媛FCジュニアユースへ入団した。しかし、当時の藤本は小柄だったことに加え、鎖骨や手の骨折などの故障が絶えなかったこともあり、1年生の途中で退団。久米中でサッカーを続けると、済美高への進学を決めた。

 一方、愛媛ジュニアユースを3年間続けた久保。中学3年生時には愛媛ユースへの“昇格”か高体連のチームへ進学するか悩み、「進路どうするの?」と藤本へ連絡。「済美高へ行くんだけど、一緒にやろう」と誘われると、これに応じる形で済美高への進学を決めた。

 再びチームメイトとなった2人。3年間、同じクラスで切磋琢磨すると、久保は主将でCBとしてチームを牽引。藤本はエースストライカーとして、全国高校選手権で同校初の全国16強へ導いた。その後、藤本は明治大へ、久保は慶應義塾大へ進学。それでも関東大学選抜などで再会することもあり、交流は続いた。

 そして2015年の3月、早くも久保の岡山入団内定が発表された。『Twitter』で知った藤本は、「すごくいいクラブに決まってすげぇ」と、すぐに「おめでとう」と連絡したという。すると、直後に藤本の元にも岡山から正式オファーが届く。進路に悩んだFWは久保へ相談した。

 「岡山に来てくれよ」と誘う久保に、誘われる藤本。奇しくも中学3年生時とは逆の立場。今度は誘われる立場となった藤本は「本当に不思議ですよね」と久保との縁を振り返って笑う。

 進路を相談し、一緒に食事をするなかで岡山の雰囲気などを聞いた藤本は、実際に岡山の試合も観戦し、「飛翔の言っていた(岡山の)いいところを理解できた」と入団を決断。クラブ関係者に伝えるよりも先に、「親の次に飛翔に言いました」という。久保からは「一緒に頑張ろうな」と言葉をかけられた。

 5年ぶりに同じチームでプレーすることが決まった。藤本は「リーグ戦で明治大と慶應義塾大で対戦して、一緒にできるのでも幸せを感じていたのに。プロで一緒にできるのはすごく嬉しいですね」と笑顔をみせながらも、「2人で試合に出られたら嬉しいですけど、プロというのはもちろん個人として見られる。自分はFWなので点を取ることにこだわっていかないと生き残れない」と表情を引き締めた。愛媛の地で育ち、東京でさらなる成長を遂げた2人が岡山で再び“タッグ”を組む。

(取材・文 片岡涼)

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