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[MOM1607]前橋育英FW横澤航平(3年)_「チャレンジャー」としてのあるべき姿示すFWが2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.21 プリンスリーグ関東第16節 三菱養和SCユース 1-3 前橋育英高 三菱養和会巣鴨スポーツグラウンド]

「最強のチャレンジャーになる」を合言葉にシーズン終盤戦を迎えている前橋育英高。山田耕介監督はチャレンジャーのあるべき姿として「常に前向いて、ガンガン行けないとダメだ」という姿勢を求めている。その“挑戦者魂”をプレーで表現している選手として、指揮官は「航平なんかは出てきた」とFW横澤航平(3年)の名を挙げた。この日は2ゴール。チームの中心選手として期待されてきたアタッカーが、自身の心境の変化によって覚醒しつつある。

 前半、前橋育英はプリンスリーグ残留へ向けてホームで勝ち点3の欲しい三菱養和SCユースに押し込まれた。だが17分、横澤の思い切りのいい仕掛けがゴールをもたらす。「前向いたら積極的に仕掛けようと思っていた」という10番は相手のマークが一瞬緩んだ隙を突いて中盤中央から単騎ドリブル突破。一気にPAまでボールを運ぶと、相手DFのスライディングタックルを軽やかにかわして左足シュートをゴールへねじ込んだ。

 個人の力で奪い取ったスーパーゴール。この日は押し込まれる展開の中でいい形で横澤にボールが入るシーンは少なかったが、それでも前向きでボールを受けた際には中央、サイドで見せる推進力あるドリブルで相手に冷や汗をかかせた。そして後半8分には左サイドからの崩しをゴールへ結びつけて2点目。プレミアリーグ昇格へ向けて大事な終盤戦で白星をもたらした。

 準優勝した昨年度の全国高校選手権で出場機会を得てゴールも決めた。テクニックで違いを生み出して打開することもゴールを奪いこともできるFWは新チームではエースとして期待されていたが、なかなか結果を残すことができず、先発から外れる試合もあった。本人は「自信がないというか、こだわりがなかったと思います。自分らしいプレーとか見失っていた」と振り返る。だが、夏の全国を逃し、「最強のチャレンジャーになる」とチャンレンジすることを誓うチームの中で「それ(積極的な仕掛け)を出さないと自分がいる意味がないと感じるようになった。自分はゴール前とかで前向いて積極的に仕掛けたり、攻撃でもっと積極的なプレーしていくこと」と心に決めた。そして吹っ切れた10番は選手権予選決勝で2ゴールを奪い、この日も苦しい展開の中で圧巻の一撃を含む2発。対戦相手にとっても怖い存在となっている。

 年末年始に開催される選手権全国大会の前にプレミアリーグ昇格を決めることが目標だ。「(前橋育英は)今まで一回も行っていないので、自分たちの代で行きたい」というプレミアリーグの舞台。チームの為、また自身の将来を切り開くためにも、目標とする「点を取れるアタッカー」として積極的に仕掛け、結果を出し続ける。

[写真]前半17分、前橋育英はFW横澤が左足で先制ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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