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「タイトルが獲れるように」天皇杯へと切り替えるF東京DF太田

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[11.22 J1第2ステージ第17節 F東京0-0鳥栖 味スタ]

 第2ステージ最終節で引き分けに終わったFC東京は、勝ち点を63まで伸ばしたものの、同勝ち点で並ばれたガンバ大阪に得失点差で上回られて年間4位に順位を下げ、チャンピオンシップへの出場は叶わなくなった。「今年のチームに懸ける想いは僕だけじゃなく全員が強く持っていたし、チャンピオンシップに出場できなかったのは悔しかった。気持ちの整理がつかなかった」とDF太田宏介。失意の大きさに、ピッチに崩れ落ちる選手も多く見られた。

「前半は0-0でもネガティブな感じなく臨めた。後半は決定機をつくれず焦りがあった」とMF橋本拳人は試合展開を振り返る。太田、DF徳永悠平のサイドバックも高い位置をとり「相手が多いところではなく、いつも通りサイドから」(森重)攻めたが、ゴール中央を固めたサガン鳥栖守備陣にクロスは跳ね返され、ゴールは遠かった。両サイドから多くのクロスを入れたが跳ね返され、「相手のほうが(人が)倍いるんじゃないかと思った」と橋本は鳥栖守備陣の印象を語った。

 試合後の会見でマッシモ・フィッカデンティ監督は、開口一番「非常に難しい試合だった」と認めた。「スペースをしっかりと消された中でも、相手のカウンターが脅威だったのはわかっていたので、バランスを欠かないように注意していました」。対する鳥栖の森下仁志監督は「ゲームに関しては、ほぼパーフェクトでした」と手応えを口にする。「そんなに危ない場面もなく、チャンスもつくれましたし。“ほぼ”というのは、1点、2点取って勝ち切りたかった。それくらい選手たちは勇気を持ってやってくれましたし、1年やってきたことがこの数試合で出てきている」。ボール支配率で下回り、シュート数でも半分以下に抑えられた鳥栖のほうが思い通りのゲーム運びを遂行できていた。

 1ゴールに泣いたF東京の選手たちは、サポーターへの感謝の想いと、自らの力のなさを並べていたが、残す天皇杯への決意も太田は続けた。「天皇杯が残っているので、そこでしっかりタイトルが獲れるように、(サポーターに)プレゼントできるように、(試合まで)1か月ありますけど、チームとして上に行けるようにがんばりたいと思います」。奇しくも1月1日の天皇杯決勝は、ホーム・味の素スタジアムで行われる。F東京は最後まで声援を送り続けたサポーターへ、“お年玉”をプレゼントすることができるか。

(取材・文 奥山典幸)

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