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[MOM1608]桐光学園MF鳥海芳樹(2年)_東京Vユース相手にドリブル、パスで魅せた小柄なテクニシャン

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.22 高円宮杯プリンスリーグ関東第16節 桐光学園高 3-1 東京Vユース 保土ヶ谷]

 DFに前方を塞がれ、距離を詰められても、登録164cm、54kgの背番号24が僅かなスペースへボールと身体を通して前進していく。東京Vユース相手に堂々とテクニックとアイディアで勝負していた桐光学園高の2年生MF鳥海芳樹。中体連出身の小柄なMFが大きな存在感を放っていた。

「ドリブルするときは相手の重心見て相手の嫌がることをしようと心がけています」という鳥海は、対峙する相手の軸が傾いたところで逆を取り、スルスルとドリブルで抜けだしてしまう。そして時にDF間を射抜く縦パスやDFを引きつけてからフリーの選手へ通すパスでシュートシーンの起点となっていたMFは後半5分、右サイドのSB佐藤海徳からパスを受けると、ターンしてスルーパス。「ターンしてシュート打とうと思ったんですけど、海徳くんから『出せ』という声が聞こえたので出しました」というパスで佐藤海の3点目のゴールをアシストした。

 前半はDFをかわした後に出したパスの精度を欠くシーンがあったが「ボールロストしたら意味ないので抜いた後を意識しました」と後半は修正。ボールキープと、ドリブル突破に加え、コンビネーションによる崩し、そして守備でも危険なパスをインターセプトするなど攻守両面での活躍が光った。「ここ最近の選手権神奈川県予選では自分の持ち味であるドリブルやターンがそんなに出せなかったんで、その悔しさと、監督からも『まだまだ足りない』と言われてきょう出してやろうと言う気持ちでやって、自分の7割くらいは出せました」と微笑。そして「ディフェンスはあまり自分の課題だと思っているので、そこは逃げないで改善したいです」と課題修正も誓っていた。
 
 村岡キッカーズから村岡中を経て桐光学園へ進学。中学時代までは「自分が、自分が」とドリブルばかりしていたというが、高校進学後は味方を活かしつつ自分もゴールを狙っていくという判断を向上させてきた。今年のプリンスリーグ序盤戦で初スタメンを飾ったMFは鈴木勝大監督も「素直な子ですし、スポンジみたいにどんどん吸収していく」と評する向上心と吸収力の高さで成長。この日は自分の持ち味を印象づけて勝利に貢献した。

「サッカーやっている以上、プロになりたい思いが強い。いろいろな人に評価されるようになっていきたい。チームで結果を残し続けることが大事だと思う。残し続けて代表とかに残っていければいい」と目標を口にするMFは残り2試合となったプリンスリーグ関東終盤戦へ向けて「自分たちの世代のためにもまずはプレミア昇格したいです」。この日以上に自分の良さを発揮してチームの白星に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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