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自己分析は「ボランチでは一番下」も…MF秋野が見せた意地

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[11.26 練習試合 湘南 1-1 U-22日本代表候補 BMWス]

 与えられた時間はわずかに22分。今回出場した選手の中で、2番目に短い出場時間となった。しかし、MF秋野央樹(柏)は自身の持ち味である左足の正確なキックで攻撃にリズムを生み出し、存在感を示した。

 1点のビハインドを背負って迎えた後半23分、MF遠藤航(湘南)に代わって投入された秋野は4-3-3のアンカーの位置に入った。「1点負けている状況でしたが、外から見ていて中盤で前を向けると思っていましたし、サイドに(伊東)純也くんに(中島)翔哉と裏に抜けるのが得意な選手がいたので、そこをうまく活かせればと思っていました」。ピッチ外から冷静に試合を分析していた秋野は、その言葉を体現する。

 前を向いた状況でボールを受けると、すぐさま視線を前へと向ける。最終ラインの裏へと走り出す伊東や中島を見逃さずに正確なロングボールを届けた。後半27分には秋野のパスから裏に抜け出した伊東が好機を迎えたように、徐々に湘南を押し込み始めたチームにリズムをもたらした。

「少しはアピールできたのかなとは思います」。充実の表情を見せた一方で、危機感を持っていることを明かした。手倉森ジャパンでは左SBでも起用されたことがある秋野だが、あくまで本職は「ボランチ」。しかしボランチは、キャプテンのMF遠藤航(湘南)を筆頭にMF大島僚太(川崎F)、MF原川力(京都)、MF川辺駿(磐田)ら、ライバルの多いポジションであり、秋野は自身を「ボランチでは一番下」と位置付けている。

 出場時間は短かったかもしれないが、決して準備は怠らない。「短い時間でも自分の特長を見せたかった。今日のようなチャンスを無駄にはできないし、呼ばれたからには100パーセントの力を出したかった」と与えられたわずかな時間で意地を見せた。今後も生き残りを賭けたサバイバルレースは続く。「『秋野はまだこういうプレーができるのか』『毎回呼ぶたびに秋野は成長しているな』と思ってもらえるような準備し、しっかりとメンバー争いに絡んでいきたい」。また訪れるであろうアピールの場を逃さぬよう、日々の成長を誓う。

(取材・文 折戸岳彦)

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