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“東京最強”は「ZAMAGIC+WK」に決定!!森重、昌子ら結成のドリームチームも撃破

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 ナイキが主催する“スモールサイド フットボール バトル”の東京王者決定戦「WINNER STAYS TOKYO」が11月29日、GINZA de FUTSAL 神楽坂スタジアムで開催された。

 昨年からスタートした「WINNER STAYS」は、サッカーともフットサルとも違う新感覚フットボールだ。イメージするのは、ストリートの舞台。試合時間は5分で、使用するボールはサッカーボール。ネットに囲まれたピッチを戦場とし、GKなしの4対4で小さなゴールを奪い合う。

 その試合の“2点目を奪ったチーム”が勝ちというルールで、“1点目を奪われたチーム”は選手を一人退場させなければならない。しかし、3対4の数的不利の状況でも、次のゴールとなる“2点目”を奪えば、逆転勝利できる。勝ったチームはその場に残り、次の挑戦者を迎え撃つという勝ち抜け方式。一定の時間内により多くの勝ち点を積み上げたチームが、次のステージへと進出する。この変則ルールによって、舞台となるストリートではスリリングな戦いが続く。

 狭いピッチに、スルーパスが通るスペースはない。勝ちたければ攻めろ。攻めたければボールを奪え。ゴールを奪いたいならシュートを打て。一瞬でも気を抜くな。リスクを恐れず、一歩でも速く前に出ろ。そして、一歩も引かない姿勢で相手と向き合え――。

 スモールサイドで行われるフットボール バトルには、サッカーというスポーツにおいて最も大切な“勝負”の要素が色濃く内在する。それが、ナイキが仕掛ける新感覚フットボールの魅力だ。

「WINNER STAYS TOKYO」の「ファイナルラウンド」には、9月から開催されてきた予選を勝ち抜いた10チームが出場。成績上位の4チームが「チャンピオンシップ」に進み、大勢の観客が見守る中で激闘を繰り広げた。最初に勝利ポイントを積み重ねたのは、圧倒的な強さで「ファイナルラウンド」を首位通過した『ロックマン』。際立つテクニシャンをそろえたこのチームは、スピードと美しい連係で狭いピッチを攻略した。着実に勝利を重ね、他3チームを大きくリードしたかに見えた。

 しかし、ここから昨年大会の優勝チームを母体とする「ZAMAGIC+WK」の逆襲が始まる。たった一人で局面を打開するストリートのスタープレーヤー・加藤雄太郎を中心とするこのチームは、戦略的な駆け引きと勝負強さで一気にスパート。1時間かけて行われた「チャンピオンシップ」の終盤、ついに逆転に成功し、2連覇を成し遂げた。

 もっとも、戦いはここで終わらない。

「東京最強」の称号を手にした彼らの前に現れたのは、“ラストボス”。ナイキがサポートするプロ選手たちで構成された『ナイキ・ドリームス』だ。その一人、京都サンガF.C.で背番号10をつけるU-22日本代表候補のテクニシャン、MF原川力に意気込みを聞いた。

「足下がうまい選手がたくさんいるので、もちろん真剣にやりますよ。ゴールが小さいから、難しいですね。ポイントとなるのは、カウンター攻撃。外側のネットをうまく使うことも大切だと思います。とにかく、僕らは“ラストボス”だから頑張らないと。プロとしての“違い”を結果で見せますよ!」

 原川とともにピッチに立ったのはDF森重真人、DF徳永悠平(以上、FC東京)、DF昌子源、FW豊川雄太(以上、鹿島アントラーズ)、そして、フットサル界から参戦したFP星翔太(バルドラール浦安)の計6名。言うまでもなく、いずれ劣らぬ名プレイヤーばかりである。

 ところが、待っていたのは予想外の結末だった。

 1戦目は『ナイキ・ドリームス』が先制ゴールを奪い、数的有利の状況で勝負を決める2点目を狙う。しかし、一瞬の隙を突かれて『ZAMAGIC+WK』にゴールを許し、逆転負け。続いて行われた2戦目は先制点を奪われて数的不利に追い込まれ、カウンター攻撃から2点目を喫して敗れた。

 試合後、『ナイキ・ドリームス』の面々に話を聞いた。

●DF森重真人(FC東京)
「残念ながら、経験の差です。今日は監督としてピッチの外から見ていましたけど、自主性を重んじて特別な指示は与えませんでした。もちろん、チームの出来には満足していません。すごく面白い競技だけど、だからこそ難しい。悔しいですね、とにかく」

●DF徳永悠平(FC東京)
「チーム最年長として引っ張る立場にあったので、今日はウォームアップから声を出しました。ウチのチームはみんないいヤツで、最高でした。でも、だからこそ勝ちたかった。敗因? やっぱり経験の差。ちゃんと練習して、また挑戦しようかなと思います」

●DF昌子源(鹿島)
「今までに経験したことのない新しい競技という感覚で、すごく面白いと思います。敗因? 一番は体力。ペース配分がまったく分からなくて、苦しかったです。それにしても、“ラストボス”なのに弱くてすみません(笑)。でも、経験さえ積めば絶対に勝ちますよ!」

●FW豊川雄太(鹿島)
「僕は遠慮せず、結構ハッスルしたんですけどね。点を取って試合を決めてやろうと思ったんだけど、思ったよりゴールが小さかった……。相手チームは戦い方をよく知っていて、強かったです。もっと練習して、リベンジしたいですね」

●FP星翔太(浦安/フットサル)
「いやー、悔しい! Jリーガーの皆さんより狭いコートでプレーすることに慣れているので、もうちょっと力になりたかったです。相手は戦い方が洗練されていましたね。失点して3人になってからは、点を取るために相手がビックリするようなプレーをしようと思いました。そうじゃないと、点が取れない。そこが魅力ですよね」

 サッカー界におけるトッププレイヤーにとっても、一筋縄ではいかない“スモールサイド フットボール バトル”。見事な戦いで大会2連覇を成し遂げ、「ナイキ・ドリームス」をも打ち破った『ZAMAGIC+WK』(山村拓、加藤雄太朗、石井光一郎、中川賢斗、加藤優汰)は、喜びを爆発させた。

 キャプテンの山村が言う。

「今大会に出場するにあたっては、新たなメンバーを加えるところからスタートしました。“ストリート界”で有名な加藤雄太郎さんに入ってもらいましたが、僕たちはもともと泥臭く戦うチームです。『ロックマン』は本当に強いチームですが、僕たちも焦らず、一つひとつ勝利を積み重ねることができたと思います。ウチの強みは、メンバー全員が特別な武器を持っていて、それをチームとして引き出し合えること。“スモールサイド”では戦い方が重要なので、出場チームのレベルがどんどん上がっていくと思います。もちろん、来年も優勝を目指しますよ!」

 サッカーともフットサルとも明らかに違う。しかし、ストリートをイメージした“スモールサイド”には、サッカーにもフットサルにも通じる“大きなヒント”がある。勝負に勝ち、ゴールを奪うために自ら好んでリスクを冒せる者は、次の「WINNER STAYS」に集え。この舞台には、チャレンジャーの欲求を満たすスリルがあり、難攻不落の絶対王者がいる。

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