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鈴木隆行が引退会見「やり残したことない」今後は指導者の道へ

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 今季限りでの現役引退を発表したジェフユナイテッド千葉の元日本代表FW鈴木隆行が7日、ユナイテッドパークで引退会見を行った。クラブの公式サイトによると、今後については「自分の経験を生かしてしっかり勉強して、指導者の道に進みたいという気持ちが非常に強いです」と、指導者を目指す考えを明らかにした。

 95年に茨城県立日立工業高から鹿島に入団。ブラジルのCFZ・ド・リオ、千葉、川崎Fへの期限付き移籍を経て、00年途中から鹿島に復帰した。その後はベルギー、セルビア、アメリカなどのクラブに所属し、Jリーグでも鹿島と横浜FMでプレー。11年6月から水戸に加入し、今季から千葉に在籍していた。

「ずっと試合に出て活躍していた選手ではないし、むしろ試合に出ていなかったことの方が多い。いろいろな状況に立たされてきたので、いろいろな立場の選手の気持ちが理解できたり、今迷っていること、悩んでいること、苦しんでいることはすごく分かると思う。そういう部分を理解して一緒に歩んでいけるような人間、指導者になっていきたい」

 自身のキャリアを踏まえて将来像を語った鈴木。現役時代、最も印象に残っている試合については「ベルギーやセルビアに行ったとき、満員の観客の中で紙吹雪が舞って発煙筒がたかれて、すごい熱気の中で自分が(ピッチに)入場していったときに『サッカーをやっていて良かったな』と強く思った。それがサッカー人生で一番感動したかなと思う場面だった」と振り返った。

 日本代表としても55試合に出場し、11得点を挙げた鈴木だが、語り草となっているのは、やはり02年日韓W杯初戦ベルギー戦でMF小野伸二から送られたボールに走り込んでつま先でゴールに押し込んだ同点ゴールだろう。しかし、本人は「もちろんすごいことだけど、苦しさ(ばかり)があったのでそれほど“良かった”というイメージが僕にはなくて、ヨーロッパでのことが自分の中では良いイメージとして残っている」という。

 引退を決意したのは今年10月ごろ。「練習が終わったあとにふと『引退しよう』と思った」と明かし、「今まで21年間プレーしてきて、(所属する)チームが決まってなくても、どんな状況になったとしても『辞めたくない』とずっと思っていたけど、今年の10月に『辞めよう』と思って決断した。『次に進みたい』という気持ちがすごく強くなって、それが『プレーしたい』という気持ちを超えたのだと思う」と、決断に至る経緯を語った。
 
「やり残したことはあるか?」という質問に「やり残したことはない。後悔もないし、どんなに苦しい状況でも勇気を持って前に進んだ。そういう気持ちはまったくない」と即答した鈴木。晴れやかな表情で21年間のプロ生活にピリウドを打った。

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