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[大学選手権]途中出場の4年生コンビが流れ変える!!高知大が愛知学院大から逃げ切り白星

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[12.8 全日本大学選手権1回戦 高知大 2-1 愛知学院大 ギオンス]

 冬の大学日本一を決するアパマンショップPresents 平成27年度第64回全日本大学サッカー選手権大会が8日に開幕し、ギオンスタジアム相模原で行われた1回戦では、高知大(四国)と愛知学院大(東海2)が対戦。前後半に1点ずつ奪った高知大が勝利した。

 立ち上がり、見せ場を作ったのは愛知学院。サイド攻撃で相手を押し込むと、前半4分にハーフウェーライン左付近でFKを獲得。ゴール前に展開したボールが相手のクリアミスを生み、すかさずMF水谷侑暉(4年=暁高)が狙ったがGK福島佑京(4年=高知小津高)の正面に終わった。

 対する高知大は、「全国大会の初戦で、最初は固さがあるので、シンプルに相手DFの裏にボールを入れていこうと思っていた」(DF西岡大志(4年=初芝橋本高)。自陣からの長い繋ぎを多用し、藤川真也(3年=C大阪U-18)、勝田一秀(2年=C大阪U-18)の2トップを起点に流れを引き寄せると、18分にMF藤井勇大(3年=三田祥雲館高)の縦パスを受けた藤川が胸トラップからシュート。

 同25分には右サイドから左にパスを繋ぎ、MF元田龍矢(3年=高知UトラスターFC)がボールキープ。フォローに入ったDF西埜植颯斗(2年=近大和歌山高)がクロスを上げ、こぼれ球をMF下園直輝(2年=東海大五高)が押し込んだが、枠を捕らえることができない。好機を作りながらも一点が奪えない時間が続いた高知大だったが、35分にはDF山下宏輝(4年=都城泉ヶ丘高)の縦パスを受けた藤川が、PA手前で粘ってボールをキープし、相手のハンドを誘発。下園がFKを直接、ゴール左に沈めた。

 上々と言える前半を過ごした高知大だったが、後半に入ってからは、「4年間で一番調子が悪かった」と反省を口にした西岡を筆頭にDF陣が乱調。セカンドボールが愛知学院に渡り、押し込まれる場面が増えた。

 後半11分にはエリア右でボールを受けた水谷が左へ流れ、PAに再侵入したが、シュートはDFに阻まれCKに。22分には、西岡と福島の連携ミスを突き、MF渡邊和馬(2年=愛知高)が無人のゴールを狙ったが、懸命に足を伸ばした山下に阻まれ、ゴールラインを割ることができない。寸での所で高知大がピンチを凌ぐ展開が続いたが、26分には右サイドからのパスを中央で待ち構えた水谷がPA右に落とすと、最後はMF森川龍乃介(4年=藤枝明誠)が冷静に決めて、試合は振り出しに戻った。

 高知大の苦しい流れを変えたのは、交代で入ったMF曽根友祐(4年=清風高)と岡田千裕(4年=御影高)の4年生コンビ。39分に曽根のパスを岡田がPA前で受けると右足一閃。「想いを込めてくれた」(西岡)という一撃は、GKの直前でコースを変えて、ゴールネットに吸い込まれた。以降は落ち着いて、愛知学院の攻撃を跳ね返し、2-1で勝利した。

 22年連続31回目のインカレ出場という数字が示すように、四国内では圧倒的な力の差を見せつけるも、全国に出れば話は別。近年は全国大会で初戦敗退が続き、今夏の総理大臣杯も王者となった関西学院大を延長戦まで追い詰めながらも1-2で敗れた。

「今年は仲が良い学年。授業があるにも関わらず、試合に出られなくても、応援に来てくれる。試合に出てくれる僕らは背負っている」。西岡がそう口にしたように、試合に出られないメンバーの想いを背負って挑んだこの日は、無事一つ目のミッションをクリア。2回戦では、関東リーグ王者の早稲田大に挑む。「耐える時間が続くと思う」(西岡)との言葉通り決して楽な相手ではないが、インカレ前に野地照樹監督と選手が掲げた目標は「関東1位に勝つこと」。この日と同じようにチームメイトの想いを込めた戦いが出来れば、決して不可能なミッションではないはずだ。

(取材・文 森田将義)
●第64回全日本大学選手権特集

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