beacon

[大学選手権]九州産業大は東福岡出身ルーキーMF末永&MF赤木が躍動、指揮官「大事に育てます」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.8 全日本大学選手権1回戦 九州産業大2-3札幌 町田]

 初戦敗退となった九州産業大(九州3)だったが、東福岡高出身のルーキーコンビが躍動をみせた。札幌大(プレーオフ)との一戦で1年生ながら先発したのは、MF末永巧(1年=東福岡高)とMF赤木翼(1年=東福岡高)。末永はボランチで先発すると、セットプレーでは正確なキックでアシストも記録。赤木は2列目左サイドから鋭いドリブルで敵陣を切り裂くなど、同点弾にも絡んだ。

 九州産業大にとっては“誤算”の先制点だった。前半5分、左サイド遠目の位置からのFK。末永が蹴り入れたボールはファーサイドまで伸びると、DF月成幸輝(2年=鳥栖U-18)がヘディングシュートを決め、早々と先制した。

 しかし、山本裕司監督が「うちはしっかりとした守備から入ろうというチーム。それが開始5分のまさかの(先制する)立ち上がり。いけるという気持ちが次の2点目に上手くつながらなかった」と話したように、その後のチームは空回り。相手陣内まで持ち込むものの、思うようにシュートを打てない局面が続いた。

 すると前半17分、30分に失点。逆転を許すと1-2で後半を迎えた。後半15分には赤木の突破から左CKを獲得すると、ゴール前混戦から最後は月成が左足でゴール。2-2に追いついた。しかし、後半終了間際のアディショナルタイム3分にセットプレーから失点すると、2-3の敗戦。初戦で姿を消すことになった。

 セットプレーで3失点と悔やまれる結果に終わったものの、得点に絡むなどルーキーたちの姿が光明となった。左サイドからドリブルやクロスで決定機をつくった赤木について、指揮官は「前での仕事をやりきれるし、なおかつ点にも絡める。今日もその通りの結果が出た」と称える。

 また先制点をアシストするなど、セットプレーで好機をつくった末永については「左右ともに蹴れるし、セットプレーは彼に全てを任せています」と言いながらも、「まだまだ彼はできますね。きょうは課題が見えたと思う。こういうタフな試合になったときに足が止まったり、精度が欠けるというところを克服しないと、日の丸をつける選手にはなれない」と激励した。

 そう話すのも末永への期待が高いからこそ。山本監督は「どこに出してもおかしくない選手」と表現すると、「素(もと)がいいから、もっと身体を大きくしたり、スピードをつけたり、強い気持ちも必要。大事に大事に育てますよ」と微笑んだ。

 福岡大や鹿屋体育大を筆頭に、着々と力をつけてきている九州大学リーグ勢。九州産業大も“九州の雄”として、冬の大学日本一決定戦で熱戦を演じた。赤木と末永にとって最初のインカレは初戦敗退となったが、必ずや再び全国の舞台で輝きを見せてくれるはずだ。
(取材・文 片岡涼)
●第64回全日本大学選手権特集

TOP