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[練習試合]「組織を強くするための1を強く」6人初招集のU-18日本代表候補は日体大に0-1で敗戦

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[12.9 練習試合 U-18日本代表候補 0-1 日本体育大 姉崎サッカー場]

 17年U-20W杯を目指すU-18日本代表候補は千葉合宿3日目の9日、関東大学リーグ2部優勝の日本体育大と練習試合(45分×2本)を行い、0-1で敗れた。

 今回の合宿でU-18日本代表候補はMF坂井大将(大分)やMF堂安律(G大阪ユース)、右SB藤谷壮(神戸U-18)といった主力級の数選手が不在。一方でプレミアリーグEAST得点王のFW佐藤亮(F東京U-18)や同得点ランキング2位で鹿島トップチーム昇格のFW垣田裕暉(鹿島ユース)、磐田入り内定のCB大南拓磨(鹿児島実高)、仙台トップ昇格の小島雅也(仙台ユース)、仙台入り内定のCB常田克人(青森山田高)、そしてU-16世代の守護神・大迫敬介(広島ユース)を初招集した。

 この日はエースFW小川航基(桐光学園高)やMF高木彰人(G大阪ユース)らも欠場。その中で戦った試合は課題残る結果となった。立ち上がりから押し込まれたU-18代表候補は4分、MF高井和馬に左足シュートを決められて失点。チームはいい形で前線にボールが入ることが少なく、攻めあぐねてしまう。日体大が前線からバランスのいいプレスをかけて来たことで、U-18代表候補はSBが下がりながらボールを受けてしまうシーンが増えてしまい、厳しいパスを選択して中盤で何度もボールを失ってしまっていた。また、CBンドカ・ボニフェイスやGK福井光輝と年代別日本代表候補歴を持つ選手も先発した日体大は局面での強さ、スピードも発揮してU-18代表候補を押し込んだ。

 その中でU-18代表候補はプロ1年目のシーズン終盤を迎え「ドリブルがプロ相手にも通用している場面がある。(クラブの)みんなも仕掛けていいよと言われている。自信持って仕掛けること」という右MF増山朝陽(神戸)や左MF長沼洋一(広島)が縦への突破で局面を打開。16分には長沼の折り返しからニアでFW岸本武流(C大阪U-18)が潰れて背後のFW吉平翼(大分U-18)がチャンスを迎える。24分には増山のギャップを突くパスで岸本が抜けだしたが、右足シュートはゴール左へと外れた。そして29分には左サイドで食いついてきたDFをかわした長沼が一気にPAまで持ち込んで左足シュートを打ち込む。32分にも左サイドでのパス交換からSB浦田樹(千葉)が斜めのボールを入れると、これまでのCBではなくボランチとして先発した中山雄太(柏)が動き出しよくPAへ走りこみ、コントロールから決定的な左足シュートを放った。

 スペースへ開いて受ける2トップやSHにいい形でボールが入った際はチャンスもつくったが、前半のスコアは0-1。それも相手MFのミドルシュートがポストを叩き、サイドを崩されて撃たれた決定的なシュートがクロスバーに救われ、カウンターからも決定機をつくられるなど、何とか1失点で凌いだという前半だった。日体大は4年生の抜けたAチームだったが、それにビルドアップのところで捕まってしまったU-18代表候補はハーフタイムに内山篤監督から厳しい指摘を受けることになった。

 先発メンバーから10人を入れ替えた後半は前線に入った186cmFW垣田が攻撃のポイントとなった。日体大も先発メンバーを下げていたため、前半よりも前線でボールが収まり、クロスまで持ち込む回数が増加。13分には垣田のポストプレーを起点に、攻撃参加した右SB小島が持ち上がり、最後は増山がクロスを入れる。また18分にも前線でアピールする垣田を起点とした攻撃から左サイドへ展開し、MF久保田和音(鹿島)のアーリークロスに垣田が頭から飛び込んだ。動きにキレのあったMF鈴木徳真(筑波大)らからいい形でのパスが入り、MF森島司(四日市中央工高)や久保田、佐藤が連動した崩しからPAへ顔を出すなどチャンスもつくった。だが、新戦力の多かった後半は組織での守備に穴ができて突破を許すシーンが続発。ゴール前でCB岡野洵(千葉U-18)らが身体を張って失点を食い止めたが、0-1のまま試合終了を迎えた試合に指揮官、選手たちも納得はしていなかった。内山監督は「しっかりバランスもってプレッシャーかけてきてくれるチームに、しっかりプレーしていかなければいけないというところではいい勉強になった」と語り、前回のアジア予選で日本の指揮を執った鈴木政一監督(現日体大監督)は「時間も少ない中で共有して、コンビネーションの質を上げていかなければならない」とアドバイスを送っていた。

 U-18代表は先月のイングランド遠征でU-18イングランド代表に1-5で完敗。10月のAFC U-19選手権予選メンバーが23人中7人しかいなかったとは言え、個で打開されてしまう部分もあり、ひとつのミスがゴールに直結した。指揮官はより組織力、コンビネーションの向上を図ると同時に、「組織を強くするための1を強くして個を上げていかなきゃ、速さも強さも判断もいろいろなところでの強さを上げていかなければいけない」と指摘する。来年、U-20W杯出場権を懸けて戦うAFC U-19選手権へ向けて、選手発掘も含めてより個の部分を大きくして組織の強化を図っていく。

 世界を懸けた戦いへ向けたひとつのテストとして、この日は180cmの高さを持つCB中山をボランチ起用。元々中盤を本職とする中山はほとんど違和感なく45分間プレーし、決定機にも絡んだ。「テンポよく配球して、きょう2列目から飛び出したように上がって行きたい。もうちょっと守備は出したかった。ボール取ったら(すぐに)攻撃に転じることは意識している。きょうあまり出せなかったのであしたは改善したい」と中山。「前よりも柔らかくプレーできるようになったと思います。ここでできるというのは嬉しい。また呼ばれるようにと思っている」という復帰組の増山たちや、また初招集組の台頭など、ここからの個々の成長がアジア突破のカギを握る。中山は「最終予選へ向けて新しい人が呼ばれてボクも定着していないですし、(油断すれば)足下救われると思って常にやっている。こういうキャンプを大事にしていきたい。最終予選とか上の代の人の大会を見ていると、ここで伸びてくる海外の選手は多い。今までやってきた国際の試合とは別人のように力をつけてやってくる。自分たちも引けを取らないように、こういうキャンプを大事にして、終わっても自分たちのチームでレベルアップするという意識でやっていかないといけない」と力を込めた。現在日本は4大会連続でU-20W杯アジア最終予選で敗退。“東京五輪世代”でもある彼らが成長して、その悪い流れを今回こそ止める。

[写真]前半32分、U-18代表候補は中山が左足シュート

(取材・文 吉田太郎)


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