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[プレミアリーグ参入戦]「プレミアに上げて終わろうという気持ちが強い」新潟U-18が前橋育英振り切り、決定戦へ!

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[12.11 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 新潟U-18 2-1 前橋育英高 Eスタ]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プレミアリーグ参入戦は11日に1回戦を行い、アルビレックス新潟U-18 (北信越1、新潟)と前橋育英高 (関東2、群馬)が対戦。新潟が2-1で勝利し、13日に行われる決定戦に駒を進めた。

 試合前から続く、強風を追い風にした新潟が、立ち上がりから前橋育英に襲い掛かった。まずは前半4分、MF伊藤康平が競り合ったこぼれ球をFW奥直仁が拾って、PAの外からダイレクトシュート。9分にも前線のポストプレーからMF斎藤宏太がゴールを狙ったが、枠を捉えることができない。18分にも中盤からのスルーパスに奥が反応し、PA左に飛び出したが、並走したDF中嶋修造のスライディングに阻まれた。

「1発勝負なので、できるだけリスクを下げたかった」(入江徹監督)という新潟が序盤に取った策は「立ち上がりの10~15分は、背後を狙って相手を下げる。相手が下がったら、相手の守備ブロックの前が空くので、そこを狙っていた」(FW鎌田啓義)というモノ。鎌田が「自分たちのサッカーが最初からできたので、勢いに乗った」と胸を張ったように、出来栄えは上々。守備も前線からのプレスで、サイドに追い込み、前橋育英に自由を与えない。狙い通りの試合運びを見せると、36分には囲い込みによって、中央の高い位置でボールを奪うと斎藤がそのまま前進し、PA中央のMF宮崎幾笑へパス。素早く振りぬいた左足シュートがDFに当り、PA左にこぼれたが、すかさず斎藤がゴール左隅に流し込み、試合を動かした。

 対する前橋育英は新潟のクロスと向い風に苦しみ、思うように攻撃ができず。惜しい場面は17分に放ったFW野口竜彦のミドルシュートくらいだったが、エンドが変わった後半は持ち味を発揮。後半6分には中央でボールを持った野口がドリブルでゴール前に持ち込み、シュートを放つなど、流れを自らに引き寄せた。13分には高い位置からのプレスで、相手DFのキックミスを誘い、右の高い位置でスローインを獲得。ボールを受けたFW横澤航平がPA右からゴール前に切れ込んだ所を倒されてPKを奪うと、自ら豪快に決めて試合を振り出しに戻した。

 入江監督が「できれば早い時間帯に2点目を決めて楽にしたかったけど、そんなに甘くはない。独特の感じがある」と口にしたように、失点直後の新潟は負けられないという焦りからDFラインが慌てる場面も見られたものの、すぐさま軌道修正。25分には相手DFのパスが審判に当たって、左中間にいた宮崎の足元に。素早く前線に繋ぐと受けた鎌田がドリブルで前進し、DFブロック前から右足シュートを狙った。軌道は「打った感じは“来た!”って思ったんですけど、ちょっとボールが緩くて、止められるかなって心配になった」ものの、ゴール左を破り、再びリードは新潟に。以降は攻勢を強めた前橋育英に危ない場面を作られる機会もあったが、GK阿部航斗を中心に全員が身体を張って、失点を回避し、2-1で逃げ切った。

 新潟U-18は苦しい結果が続いていた。今夏のクラブユース選手権は、グループステージを突破できず。10月に行われたJユースカップでは2回戦でガンバ大阪ユースに0-8と大敗。プレミアリーグ参入戦も過去3年続けて涙を飲んでいる。ただ、苦難の日々は無駄ではなく、「今年は3年生中心になって、やってきたけど良い結果が出せなかったし、クラブとしてもこれまでずっと参入戦を突破できていなかったので、この大会にかける想いが強い」(入江監督)。鎌田も「ずっと参入戦で負けてきたので、最後、自分たちの代でプレミアに上げて終わろうという気持ちが強い」と口にする。

 チームとしても入念な準備を進めてきた。Jユースカップの2回戦で敗れたことで、公式戦を戦うのは約2か月ぶり。選手権予選やプリンスリーグから間を空けずに、今大会を迎えた他チームとの差を埋めるべく、流通経済大など年上のチームや、関東の強豪校など自分たちよりも格上のチームと対戦し、照準を合わせてきた。入江監督は「上手く行かないことも多かったけど、今日もそういう時間帯で耐えることができたのは、経験が活きたからだと思う」と準備の成果を話す。この日は、思う通りの結果を残せたが、「あと1つ勝たないと目標とする場所には行けず、意味がない」と入江監督が口にしたように、ここで終わりではない。残り1つも物にし、喜びを爆発させるつもりだ。

[写真]前半36分、齋藤のゴールを喜ぶ新潟U-18イレブン

(取材・文 森田将義)
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