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[MOM1616]磐田U-18FW山下諒也(3年)_スランプ脱した主将がチーム助ける2得点

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.11 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 米子北高 0-3 磐田U-18 Eスタ]

 思うような攻撃を展開ができず、苦しい展開を強いられた中、ジュビロ磐田U-18に流れを引き寄せたのは頼れるキャプテンFW山下諒也(3年)の一撃だった。

 来季からのプレミアリーグ参入を決める大事な場。負ければ終わりという緊張がチームに漂っていたが、山下は「最初は緊張していたけど、冷静になって周りを見なければいけない立場だと思ったので、意識していた」。プレー面では慣れない芝に苦しみ、上手くパスが繋がらない上にサイドからの攻撃も米子北高に跳ね返せる場面が多く見られる中、山下は「裏への飛び出しが彼の持ち味。うまくアイツが背後を獲ることで、相手の守備が広がった所を立川たちが突いていくのがうちの攻撃スタイル。今日は持ち味を出してくれていたと思う」(田中誠監督)と、序盤から奮闘を続けた。

 頑張りが実ったのは前半19分。相手DFがボールを持った瞬間を逃さず奪うと、エリア右でフリーに。距離は遠めだったが、「GKの位置が手間にいたのが見えたので、迷わず浮かした感じで打とうと思った」と落ち着いて選択したシュートがクロスバーに当たりながらも、ゴールラインを越えた。「皆が緊張している中で、先制点を獲れたのが大きかった」。そう口にしたように、リズムがよくない中での一点はチームにとって大きな価値のあるモノ。以降も落ち着いた試合運びに貢献すると、2-0で迎えた後半45分にも前線でのボール奪取からGKとの1対1の場面を迎えることに。「距離が詰まって焦ってしまったけど、GKが転んだのが先に見せたので、ちょっとボールを浮かせて狙った」と再び落ち着いたシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。

 この日は、高い得点力を発揮したものの、プリンスリーグ東海では5月に行われた第4節の静岡学園高戦から得点に見放されてきた。不調を脱する転機となったのは9月に行われた第14節の四日市中央工高戦。試合終了間際に自らの突破が奪われたことをきっかけにカウンターを受けた。結果的には失点を免れ、2-0で勝利をおさめたものの、山下はこのプレーをきっかけに交代させられてしまった。きっちり決めきることができていれば、ピンチを招くことはなかったと考え、翌日の練習から得点への意識を高めたという。

 プリンスリーグのラスト3試合では毎試合得点を記録するなど現在は復調。状態を上げたまま今大会に挑んでおり、「これまでチームに迷惑をかけた分、参入戦ではたくさん点を決めようと思っている」と口にする。「緊張もあるけど、ワクワクの方が強い。試合前も、『皆で助け合え。ミスはあるけど、どうカバーするかで勝敗が変わる』とスタッフが良い言葉をかけてくれたので、緊張がほぐれてやる気に変わった。次も楽しみながら勝ちたい」。そう続けたように、次の試合もチームを助けるゴールによって、プレミアリーグに導いてくれるはずだ。

(取材・文 森田将義)
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