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[MOM1618]横浜FMユースFW和田昌士(3年)_勝負を分けた一瞬の判断、まさにエースの仕事でV弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.11 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 横浜FMユース 2-0 九州国際大付高 広島一球]

 まさにエースの仕事だった。「3年生として後輩に置き土産を残したい」と語る横浜F・マリノスユースFW和田昌士の背中を観て、感じるモノがあった1、2年生も多いことだろう。「後半はほぼ何もしてなかったですよ」と本人は苦笑いを浮かべるが、この10番をMOMに推すことへの異論も彼らの口から出て来ないという確信はある。

 勝負を分けたのは一瞬の判断だった。前半46分、アディショナルタイムの攻防戦。攻撃を跳ね返してラインを一定の位置まで押し上げてブロックを作り直すというセオリーどおりの動きを相手がしてくる中で、一瞬のスキが生じるのを和田は見逃さなかった。

「(遠藤)渓太が持ったときに、これは来るかなと思って動き出した。ボールが来たので、あとは(ボールの勢いを)吸収しながら前を向いて、逆(サイド)を狙った」

 言葉にしてしまうと単純だが、5バックの密集の中でほとんどスペースはなかった。「小さなスペースを見付ける力」(松橋監督)と指揮官もうなずく一瞬の判断と動き出しでボールを引き出し、高い技術でそれをコントロールしての左足シュート。相手に当たってのゴールインがちょっとだけ不本意だったようだが、ゴールに転がり込んだのは打ち切った姿勢の賜物である。相手のディフェンシブな布陣の一歩上をいくプレーだったのは間違いない。

 2-0での試合終了後、和田は次戦に向けてこう意気込んだ「ウチの1、2年生は本当に力のある選手がたくさんいる。あいつらをプレミアでやらせてあげたいし、次の試合はユースでの最後の試合として3年間の集大成にしたい」。トリコロールのエースは、長く立ちふさがったプレミアへの壁を打ち砕きに行く。

(取材・文 川端暁彦)
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