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[MOM1619]大津DF野田裕喜(3年)_先制ヘッドに加え、ピンチになっても「動じない」守備で完封勝利

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.11 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 大津高 5-0 大社高 コカ広島ス]

 前半4分に試合の流れを大きく傾ける先制ヘッド。大津高のU-18日本代表CB野田裕喜主将(3年)は「全然最近セットプレーでもヘディング当たらなくて、久しぶりに点取れました」と表情を綻ばせた。右サイドでCKのこぼれ球を拾ったMF河原創がファーサイドへ逃げる野田へピンポイントのクロス。「CKのこぼれで創が良いボール上げてくれるんで。創ならばあそこに蹴ってくれるかなと」と振り返る野田はボールから遠ざかりながらDFの間にポジショニングし、頭で逆サイドのゴールネットを揺らした。

 久しぶりという得点よりも喜んだのは無失点で試合を終えたことだ。選手権熊本県予選決勝では東海大熊本星翔高に4点を奪われた。味方が大量7得点を奪って勝ってくれたものの、J1屈指の強豪に進むDFにとっては非常に悔しい結果。DF面ではその後のプリンスリーグでも失点が止まらずに2試合連続2失点を喫した。だが「バランス持って全員で連動して守備することと、相手より足を動かして守備すること、そして90分集中することを意識した」チームはプリンスリーグ最終戦を無失点勝利。そしてこの日も、大社高にボールを動かされ、決定機をつくられるシーンがあったものの、無失点で切り抜けた。

 攻撃的なサッカーを展開する大津が試合を支配する展開は選手権含めて多くなる。その中で相手の少ないチャンスを確実に封じることができるかが、今後の公式戦を勝ち抜き、目標としているものを手にできるかどうかの鍵になる。そのことは野田自身も十分に理解。この日、ピンチになっても最後シュートを足に当て、背後のボールに対応していたDFは「自分たちが失点するときは簡単な形でやられてしまうことが多い。きょうは崩されても最後足出して、相手に主導権握られても慌てないでできたと思う。本当、ピンチを作らせないこと。何度か(ピンチが)試合中にはあると思うので、そこをしっかりと防げるように。ピンチがあっても動じないように。きょうは下も結構スリッピーな状態でやりにくさがあったんですけど、無失点にしたのは自信にしていいと思うし、足が動いていたのでその点はいいところかなと思います」と胸を張った。

 今秋、G大阪の練習に参加し、その後アジリティの強化に努めてきた野田はより身体が動くようになったことで予測して守る範囲も広げることができているという。「相手のパス出す人の状況とか風だったり環境、試合の流れも含めてできてきていますし、プラス足が体良く動いてきていると思う。もっともっとやらないといけないですけれども、成長してきていると思います」と手応えを口にした。

 現在はプレミアリーグ参入戦に集中しているが、U-18日本代表の活動は気になっている。10日まで開催された候補合宿には新戦力のCB常田克人(青森山田高)、CB大南拓磨(鹿児島実高)が初招集された。「刺激になりますし、同じ高体連なんで。代表に入るということは自分も危機感もってやらないといけないですし、全然確約されていないのでもっともっと成長して代表でも『アイツがいないとダメだ』と言われるようになりたいです」。結果を示すためには何よりゴールを奪われないこと。公式戦で相手を無得点に封じてまた評価を高める。

(取材・文 吉田太郎)
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