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[大学選手権]FW浅野拓磨の弟・雄也が鮮やか同点弾も、2人退場の大阪体育大は力尽きる…阪南大が2年連続4強!!

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[12.13 全日本大学選手権準々決勝 阪南大3-2(延長2-2)大阪体育大 西が丘]

 アパマンショップPresents第64回全日本大学選手権(インカレ)の準々決勝が13日に行われた。味の素フィールド西が丘の第1試合では阪南大(関西2)と大阪体育大(関西5)が対戦。1-1で迎えた後半には大阪体育大が退場者を出すも、90分間で決着は着かずに延長戦へもつれ込んだ。延長前半にも1点を取り合うと、延長後半にFW外山凌(3年=前橋育英高)がゴール。大阪体育大は2人目の退場者を出すと、追いつくことはできず。3-2で勝利した阪南大が2年連続の4強入りを果たした。

 今季の関西学生リーグの同カードでは、前期は大阪体育大が2-0で勝利し、後期は阪南大が6-0の圧勝。関西選手権の準決勝では阪南大が2-1で勝利している。阪南大が勝ち越しの2勝1敗という状況で、全国大会で顔を合わせることになった。

 阪南大は4-1-4-1システムを採用。GK大西将(4年=阪南大高)、DFラインは右から康翔貴(3年=大阪朝鮮高)、甲斐健太郎(3年=立正大淞南高)、大野佑哉(1年=山梨学院高)、金来遠(2年=名古屋U18)。アンカーを松下佳貴(4年=松山工高)、2列目は右から松尾雄斗(2年=札幌U-18)、重廣卓也(2年=広島皆実高)、岡部拓実(2年=正智深谷高)、八久保颯(4年=秀岳館高)。1トップはFW前田央樹(3年=福岡U-18)が務めた。

 大阪体育大は4-4-2システムで来季のセレッソ大阪入団内定FW澤上竜二(4年=飛龍高)とFW山田貴仁(2年=帝京長岡高)が2トップを組んだ。GK野坂浩亮(3年=青森山田高)、DFラインは右から太田賢吾(2年=川崎F U-18)、羽田昇平(2年=金光大阪高)、菊池流帆(1年=青森山田高)、小川明(1年=履正社高)。ダブルボランチMF池上丈二(3年=青森山田高)と後藤虹介(3年=飛龍高)が務め、2列目は右に安田圭佑(4年=京都両洋高)、左に久保田駿斗(4年=長崎日大高)が入った。

 試合は前半8分に動く。中央からボールを持ち込んだ重廣が倒されるも主審はプレー続行を判断。拾った岡部の縦パスに抜け出た八久保のシュートはGKに弾かれるも、拾った前田がPA正面から右足シュートを決めた。後期リーグ(6-0)の対戦時、一人で4得点を奪った前田が“お得意様”を相手にゴール。阪南大が1-0の先制に成功した。

 その後は一進一退の攻防が続く。阪南大はセットプレーから松下が正確なキックで見せ場を演出。同16分には左サイドから仕掛けた岡部が倒され、PA手前でFKを獲得。松下が蹴り入れたボールからファーサイドの大野が飛び込むも、ヘディングシュートはクロスバー上。追加点は奪えない。

 対する大阪体育大は後半20分、左サイドからドリブルで仕掛けた池上が重廣に倒され、FKを獲得。関西アシスト王・池上のボールはDFにクリアされた。それでも直後の21分、大阪体育大が追いつく。ロングスローから左サイドへ流れたボール。久保田の折り返しからPA右の菊池が頭で押し込んだ。同点弾のルーキーCBは力強くガッツポーズをみせた。1-1で前半を折り返す。

 互いに交代なく迎えた後半。立ち上がりから阪南大は、岡部が後方から飛び出してはドリブルで切れ込んでいく。すると後半14分、PA手前左からドリブルで仕掛けた岡部が太田に倒される。このプレーで2枚目の警告を受けた太田は退場。阪南大は数的有利となった。獲得したFKは松下が直接狙うも枠外だった。同18分には松下のパスからPA左へ前田が抜け出すも、GKとの1対1は決めきれない。

 後半20分にはともに最初の交代カードを切る。阪南大は松尾に代わり、FW外山凌(3年=前橋育英高)を投入。大阪体育大は久保田に代えて、DF井上和己(4年=大体大浪商高)をピッチへ送り込んだ。

 後半25分に10人の大阪体育大は2人目の交代。山田に代わり、広島FW浅野拓磨の実弟であるFW浅野雄也(1年=四日市四郷高)を投入。4-4-0-1のような配置で浅野が前線へ位置。澤上は中盤にまでポジションを下げた。同32分に今度は阪南大が群馬FW江坂任の実弟であるMF江坂巧(3年=神戸弘陵高)をピッチへ送った。

 試合は90分間で決着が着かずに15分ハーフの延長戦へもつれ込む。10人の大阪体育大は小川に代わり、FW大田賢生(1年=星稜高)を投入。浅野が右サイドへ回り、1トップを太田が務めた。立ち上がりから阪南大が押し込むもゴールネットは揺らせない。CKを獲得するもいずれもGKに止められる。

 それでも延長前半11分に得点が生まれた。縦パスを受けた重廣が浮き球のスルーパス。抜け出た前田が右足で豪快なシュートを叩き込んだ。阪南大が2-1と二度目のリードに成功した。

 これで逃げ切りたかったが大阪体育大が同点に追いつく。右サイドのハーフウェーラインを越えたあたりから、ドリブルで駆け上がった浅野がPA右へ侵入すると左足ループシュート。技ありの一撃はゴールネットを揺らし、2-2に追いついた。ルーキーの活躍で10人の大阪体育大が息を吹き返す。延長前半を2-2で終える。

 迎えた延長後半、攻め込んだ阪南大が3度目のリードに成功。延長後半2分、PA左からドリブルでカットインしていった外山が右足で無回転の一撃を突き刺し、3-2に持ち込んだ。直後に大阪体育大は、江坂へのファウルで後藤が2枚目に警告を受けて退場。リードを許した上に、2人少ない9人になってしまった。

 それでも延長後半11分には大阪体育大がカウンターからチャンスメイク。左サイドから押し込み、逆サイドへ展開。PA右から大田のシュートはDFにカットされる。獲得した右CKからのこぼれ球をつなぎ、最後はPA右でフリーの澤上がダイレクトでシュートを放つも、わずかにポスト右へ外れた。9人になっても足を止めなかった大阪体育大だったが、3度目のゴールはならず。3-2で死闘を制した阪南大が2年連続の4強入りを果たした。

■準々決勝(12月13日)
[味の素フィールド西が丘]
阪南大 3-2延長(1-1) 大阪体育大

(取材・文 片岡涼)
●第64回全日本大学選手権特集

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