beacon

[MOM366]明治大GK服部一輝(3年)_流れを渡さなかったビッグセーブ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.13 大学選手権準々決勝 明治大3-3(PK5-4)順天堂大 町田]

 流れを食い止めるビッグセーブだった。後半開始3分のプレーで同点とされていた明治大は、続く同6分にも大ピンチを迎える。順天堂大に右サイドからの展開を許すと、クロスボールがファーサイドで余っていたFW米田隼也(2年=静岡学園高)にまで届いてしまう。

 しかし、このピンチにGK服部一輝(3年=札幌大谷高)は冷静だった。「左側にDFが1枚いたのが見えた。(米田の)体も閉じていたのでニアかなと思った。反応と言うより読んで飛んだという感じです」。服部の完璧なセービングによって、順天堂大に傾きかけた流れを寸でのところで食い止めた。

 PK戦までもつれた一戦。やはりそこでも服部はヒーローになる。「キッカーの助走と入る角度とかで(飛ぶ方向を)決める」という職人は、止めることは出来なかったが相手の1本目からコースを当てる。そして3人目。順大MF青木翼(4年=清水商高)のシュートに右に飛ぶと、完璧に弾ききり、勝利を呼び込んだ。

 4年生への感謝の気持ちが強いと話す。「4年生をこんな形で引退させるわけにはいかなかった。この1年飛躍できたのは今の4年生のおかげだと思っている。堅守が売りの明治で、僕が出て3失点したのは初めてだった。そういう面では悔しい思いがにじみ出てきている」。

 PK戦勝利にも決して気を緩めることのない守護神。次なる戦いは、夏の総理大臣杯の決勝で敗れた関西学院大とのリベンジマッチになる。「悔しさが今でも忘れられない。負けるわけにいかない」と、服部自身、不運なゴールが重なったとはいえ、2失点を喫して、タイトルをもたらすことは出来なかった思いは強い。「優勝しかないと思っている」。夏のリベンジに燃える背番号1の目には、タイトル奪取しか見えていない。

(取材・文 児玉幸洋)
●第64回全日本大学選手権特集

TOP