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[大学選手権]敵将、ライバルも脱帽…G大阪内定FW呉屋が“因縁”流経大戦に決着付ける

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[12.13 大学選手権準々決勝 流通経済大1-2(延長)関西学院大 町田]

 後半25分に先制を許した関西学院大だが、やはりこの男がチームを救った。同38分、MF森信太朗(4年=大分U-18)が左サイドからクロスを上げると、FW呉屋大翔(4年=流通経済大付柏高、ガンバ大阪入団内定)は、一瞬の駆け引きでマークに付いていたDF田上大地(4年=流通経済大付柏高、V・ファーレン長崎入団内定)の視界から外れる動きを見せる。「あの瞬間、田上も今津も呉屋を見失ってしまった」。敵将・中野雄二監督も脱帽のゴールを蹴り込んでみせた。

 “因縁対決”。流通経済大付柏高出身の呉屋にとっては、元チームメートを多く擁する流経大との対戦に苦手意識があった。印象を決定づけたのが、昨年度のインカレ決勝戦。DF今津佑太(2年=流通経済大付柏高)の徹底マークに遭うと、放ったシュートはゼロ。完全に封じ込まれてしまった。

 関学大としても対流経大戦はこれまで得点がなく、苦手意識があった。ただ、それを破ったのも呉屋だった。同宿舎のため、顔を合わせることも多かったと話す田上は、「大翔自身は流経戦で点を取りたいと思っていたと思うし、去年からずっと、悔しい思いをしていたことは分かっていた。ああやって決められて悔しいですけど、あいつのほうが思いは強かったのかなと思います」と素直にライバルを称えていた。

(取材・文 児玉幸洋)
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