beacon

[MOM1623]新潟U-18MF鎌田啓義(3年)_頼れる主将にして絶対的エース、劇的V弾でプレミア導く

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.13 高円宮杯プレミアリーグ参入戦2回戦 新潟U-18 1-0 徳島市立高 Eスタ]

 後半43分、MF伊藤康平のパスを右サイドに開いて受けた鎌田が考えていたのは「中に合わせようとしていた」。つまりクロスボールである。だが、猛然と迫ってきたDFの様子を見て、とっさに判断を変える。「食い付いてきたので、切り返した」。クロスへ行くというフェイントだったのではなく、とっさに変えたプレーだけに、相手の反応も遅れた。1枚をはがした鎌田にはシュートコースが見えていた。細かい狙いなど無用と振り抜いて放った左足のシュートは、難攻不落に見えた徳島市立高ゴールを打ち破った。

 この日の鎌田は故障もあって決して万全の状態ではなかった。ただ、入江徹監督は「鎌田と心中じゃないけれど、任せた」と心を決めていた。「今年の彼は本当に苦しんできた。ドリブルで行ける力があるのは分かっていたし、その上で『もっと駆け引きをしながらやっていこう』ということを彼には言ってきた。中盤では簡単にプレーして、ゴール前で(ドリブル)を出す。あのゴールはまさにそういうプレーだった」と感無量の様子でエースを称えた。

 今年は鎌田にキャプテンという重責も課した。必ずしもキャプテンタイプというキャラクターではないが、「本人の成長とプレーでの影響力」の両方を考えての措置だった。指揮官はこの試合前に、全員に声を掛けている鎌田の様子を見て、その決断が間違いでなかったことを確信したようだ。

 2試合連続ゴールでのプレミア参入。まさにエースの仕事をこなした鎌田は「最後にこういう試合ができて自信になった」と笑った。次なるステージで目指すのは、「(年代別)日本代表へまた入ること」。新潟U-18の頼れる主将にして絶対的エースは、最後の試合を終えて、次なるステージで羽ばたくことを誓った。

(取材・文 川端暁彦)
▼関連リンク
2015プレミアリーグ

TOP