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[大学選手権]4強前に散る、進路決断へ…早稲田大FW宮本「一発でしとめられるような選手に」

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[12.13 全日本大学選手権準々決勝 早稲田大1-4国士舘大 西が丘]

 早稲田大(関東1)が日本一になるためには、FW宮本拓弥(4年=流通経済大柏高)の活躍が必要だった。チームメイトや監督、スタッフも背番号9の得点に期待を寄せた。しかし、国士舘大(関東5)と戦った全日本大学選手権(インカレ)の準々決勝。前半で2失点したチームは立て直すことができず、宮本も不発に終わると1-4の敗戦を喫した。

 試合後、宮本は「1-4で完敗して申し訳ない」と唇を噛んだ。0-3で離された後半18分には好機もあった。MF小林大地(3年=流通経済大柏高)のパスからPA右へ抜け出し、強い弾道のシュートを放つもクロスバー上に外れた。0-4と差を広げられた後半32分には、左サイドからのパスでFW武颯(2年=横浜FMユース)のゴールをアシスト。しかし自身は不発のままに90分は終了。1-4での敗退となってしまった。

 今季の関東大学リーグでは早稲田大が国士舘大に2連勝中。前期では1-0で勝利し、後期では2-1で勝っていた。いいイメージを持って試合に臨んだはずが、3連勝はならず。背番号9のストライカーは「こういう言葉で終わりたくはないが、2試合勝っているという安心感があったのかわかりませんけど、そういうところで負けてしまった。不甲斐ない」と肩を落とした。

「勝負に対しての弱さかなと思う。勝たないといけない試合でみんなが自分の力を出すことができなかった。サッカーの技術ではなくメンタルコントロールの部分で強さを見せられなかったんじゃないか」

 流通経済大付柏高から鳴り物入りで早稲田大に進学も、「入部した最初のときには早稲田のカラーに染まれずに苦しみました」。それでも大学2年時から徐々に出場機会を得ると主力に定着。「自分自身も早稲田のいい面を吸収してできた」と振り返る。

 しかし、関東リーグ得点王やMVP級の活躍には届かず。大学最後の今大会では4強を前に敗退した。責任を負うかのように反省の弁を続けていた宮本だったが「最後はこういう形になりましたけど、僕は後悔していない」とも話し、「自分自身の今の現状を受け止められる結果だと思う。そう思えばいい4年間だった」と前を向いた。

 既に複数Jクラブからオファーが届いており、今後は古賀聡監督などに相談して進路を決断する予定。「僕自身は4年間で思うような結果を出せなかった。プロへ行ってまた結果を求められると思うので、そこで一発をしとめられるようなプレイヤーになっていかないといけない」と強く誓った。

(取材・文 片岡涼)
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