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[プレミアリーグ参入戦]選手権のダークホース、新潟明訓は敗戦も評価高める戦いぶり

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[12.13 高円宮杯プレミアリーグ参入戦2回戦 横浜FMユース 3-0 新潟明訓高 広島一球]

 スコアは0-3で敗れたものの、前半はスコアレスで折り返し、後半も引かずに戦い抜いた。日本クラブユース選手権優勝の横浜FMユース相手に健闘し、ピッチサイドの他校指導者からはチャレンジする姿勢含めて「良いチームだね」と賞賛する声が上がっていた。注目10番MF中村亮太朗が負傷で今大会欠場する中、1回戦でプリンスリーグ東北優勝校の尚志高(福島)を撃破。2回戦では当初、クラブユース日本一の横浜FMの攻撃を警戒してブロックディフェンスを敷くことも想定されていたが、「彼らには引かせたくなかった」という田中健二監督の指示で前からのチェイシングを試み、連動した守備でパスコースを消すなど前半を無失点で切り抜けた。

 後半の1点目、2点目は相手アタッカーの能力の高さに屈した失点。だが、中村の代役を務めた3年生MF渋木理がセンスある動きを見せ、チームとしても後半はボールを保持し、縦パスも通してアタックを試みた。敗れたものの、クラブユースチャンピオンとの真剣勝負で得たものは大きい。田中監督は「後半は自分たちがボール持つ時間が長かったんで、悔しいですけれども前から行ってよかった。(選手権までの)あと2週間、きょうが一番いいトレーニングになりました」と前向きに捉えていた。

 選手権新潟県予選ではプリンスリーグ北信越勢との試合が4試合続くという激戦ブロックを5試合全て3得点以上、計20ゴールという圧倒的な破壊力で優勝。この日何度もボール奪取を見せていたMF加藤潤主将と中村のダブルボランチは全国屈指で、MF高橋怜大、MF関口正大という実力派アタッカー、そして全国総体後のFWコンバートとともに大ブレイクを果たした田辺大智という得点王候補も擁する。だが、この試合では横浜FMの切り替えの速さやコンパクトな守りの前に、高体連相手では簡単に止まらない田辺も突破することができず。チームも無得点に終わった。

「一番いいトレーニング」になった横浜FM戦で見えた課題を選手権開幕までの2週間で少しでも改善すること。選手権予選、そして終盤戦4連勝で2位に食い込んだプリンスリーグ北信越やこの日示したチーム力の高さは注目だ。選手権初戦の対戦相手は沖縄3冠の那覇西高で全国総体優勝校の東福岡高や同準優勝の市立船橋高など強豪居並ぶ難しいブロックに入っているが、明訓が全国で驚きを与える可能性はある。

(取材・文 吉田太郎)
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