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[大学選手権]決勝は30年ぶりの関西対決に!!2点リード追いつかれるも関西学院大が明治大突き放し、4冠王手

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[12.16 全日本大学選手権準決勝 明治大2-4関西学院大 NACK]

 アパマンショップPresents第64回全日本大学選手権(インカレ)の準決勝がNACKスタジアム大宮で行われた。夏の大学日本一決定戦である総理大臣杯決勝の再現となった一戦は、関西学院大(総理杯/関西1)は明治大(関東2)に4-2で勝利し、2年連続の決勝進出。関西選手権、総理大臣杯、関西学生リーグに続いての4冠に王手をかけた。
 もう一方の試合では阪南大(関西2)が国士舘大(関東5)に3-1で勝利。19日に浦和駒場スタジアムで行われる決勝戦は昭和60年大会以来、実に30年ぶりの関西勢対決となることが決まった。

 夏に行われた総理大臣杯決勝では関西学院大が2-0で勝利している。屈辱を晴らしたい明治大は、U-22日本代表のカタール遠征から14日に帰国したばかりのDF室屋成(3年=青森山田高)が先発。J内定組の5人も顔を揃えた。

 システムは4-4-2で、GK服部一輝(3年=札幌大谷高)、DFラインは右から室屋、山越康平(4年=矢板中央高)、小出悠太(3年=市立船橋高)、高橋諒(4年=国見高)。ダブルボランチを差波優人(4年=青森山田高)と柴戸海(2年=市立船橋高)が務め、2列目は右に道渕諒平(3年=仙台ユース)、左に瀬川祐輔(4年=日本大二高)。2トップは和泉竜司(4年=市立船橋高)と藤本佳希(4年=済美高)が組んだ。

 対する関西学院大は2回戦から連続ゴールを挙げているガンバ大阪内定のFW呉屋大翔(4年=流通経済大柏高)が1トップを務める4-2-3-1システム。GK上田智輝(2年=京都U-18)、DFラインは右から高尾瑠(1年=名古屋U18)、米原祐(3年=作陽高)、井筒陸也(4年=初芝橋本高)、小川原一輝(2年=関西学院高)。ダブルボランチを小野晃弘(4年=藤枝明誠高)と徳永裕大(3年=G大阪ユース)が組んだ。2列目ではトップ下のMF出岡大輝(3年=G大阪ユース)は流動的にポジションを変え、右にMF森俊介(3年=東山高)、左にMF小林成豪(4年=神戸U-18)が入った。

 互いに慎重な立ち上がりとなるが、関西学院大がファーストシュートを決めて先制に成功。前半6分、中盤でパスを奪ってのカウンター。左サイドに抜けた小林がファーサイドへ折り返す。流れたボールはDF小出に弾かれるも、PA右で拾った高尾が右足を振り抜く。低い弾道のシュートはゴール左下へ決まった。

 先手を奪われた明治大は精細を欠き、なかなかボールがつながらない。前線まで渡らない状況が続き、和泉が中盤まで下がってはボールを引き出す。前半21分には最初の決定機。室屋の右クロスから道渕がヘディングシュートを打つも、GK上田に止められる。

 すると最初のピンチを脱した関西学院大がGK上田からのボールを起点に素早い攻め上がり。森のパスからPA左へ抜けた呉屋が放ったシュートはGKに弾かれるが、自らこぼれを拾うと角度の無い位置から右足シュートをねじ込んだ。呉屋の3戦連続弾で関西学院大が2-0に突き放した。

 まさかの展開となった明治大。2点差に離され、追い込まれると目を覚ます。両サイドから押し込んではチャンスを演出。前半25分には縦パスに抜け出た和泉がゴール右へシュートを狙うも、ポスト右を叩き、跳ね返りは逆ポストを叩いた。

 それでも前半27分にまずは1点。左サイドから攻め込んだ和泉が中央へ折り返し。PA右で受けた室屋が右足での切り返しでDFをかわすと、GKの位置を見て冷静にシュート。U-22日本代表DFの一撃で1-2に詰め寄った。

 勢いに乗り、前半37分には2-2の同点弾。PA右へ仕掛けた道渕のシュートはGKに阻まれるも、前への跳ね返りを拾った和泉が右足シュートを決める。名古屋入団内定の背番号10が意地みせる3戦連続弾。2-2に追いつき、前半を折り返す。

 2点リードを追いつかれた関西学院大だったが動揺はみせない。後半立ち上がりから積極的に攻めにかかる。サイドからの押上が実ったのが前半7分、右サイドから攻めあがった森のクロスは逆サイドへ流れる。左サイドでキープした小林が中央へボールを送る。呉屋が競り合ったこぼれからPA正面の小野が右足シュートをゴール右に叩き込んだ。関西学院大が3-2とリードを奪った。

 後半16分には互いに最初の交代カードを切る。明治大は瀬川に代わり、DF河面旺成(3年=作陽高)を投入。3バックへ布陣を変更。右WBに室屋、左WB高橋が入った。関西学院大は出岡に代えて、総理大臣杯決勝の明治戦で点を決めているMF池田優真(4年=作陽高)をピッチへ送った。

 直後の後半17分にはポジションを前に移した室屋がドリブルで駆け上がり、自らシュートも放つ。しかし枠を外れた。同24分には関西学院大が決定機。カウンターから攻め込み、小林の折り返しからPA正面の呉屋がシュートもクロスバーを叩く。跳ね返りを自ら頭で押し込もうとするもGK服部にキャッチされた。

 明治大は後半30分に2人目の交代。道渕に代え、MF金原唯斗(2年=磐田U-18)がピッチへ送られた。同32分には金原のパスからPA右へ出た藤本がシュートを狙うも力なくGKに止められる。同37分には中盤で高尾のボールをカットした高橋が左サイドからドリブルで仕掛け、PA内へ侵入するもDF2人につぶされる。同37分に最後の交代カードを切り、差波に代わり土居柊太(2年=浜松開誠館高)がを投入。同42分には和泉のボールからPA内右のタッチライン際に室屋が抜け出すも、ダイレクトで放ったシュートは大きく枠外。

 後半43分に関西学院大は選手交代。徳永に代わり、福冨孝也(4年=宝塚北高)。同45分には森に代えて岡山宗星(3年=C大阪U-18)がピッチへ立った。押し込まれる関西学院大だが、慌てずに対応。全員守備で明治大にゴールを許さない。

 すると後半アディショナルタイム2分に試合を決定付ける4点目。明治大GK服部がハーフウェーライン付近まで上がっていたにも関わらず、バックパスでミス。呉屋にかっさわれると、無人のゴールに流し込まれた。4-2で試合は終了。関西学院大が2年連続の決勝進出を決めた。なお、この日の試合で警告を受けた呉屋は決勝戦は出場停止。エース不在で大一番を戦うことになる。

■準決勝(12月16日)
[NACK5スタジアム大宮]
関西学院大 4-2 明治大

[BMWスタジアム平塚]
国士舘大 1-3 阪南大

■決勝(12月19日)
[浦和駒場スタジアム]
関西学院大 12:00 阪南大

(取材・文 片岡涼)
●第64回全日本大学選手権特集

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