beacon

世紀の番狂わせなるか…バルサに挑む広州スコラーリ監督「選手を信じている」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 17日のクラブW杯準決勝でバルセロナ(スペイン)と対戦する広州恒大(中国)が16日、試合会場の横浜国際総合競技場で公式練習を行った。練習前にはルイス・フェリペ・スコラーリ監督とキャプテンのMFジョン・ジーが出席。欧州王者との一戦へ意気込みを語った。

「我々は準決勝を戦うのにふさわしいチームだ。アジア王者であり、(準々決勝で北中米カリブ海代表の)クラブ・アメリカに勝って、そのことを証明した」。大一番を前にスコラーリ監督はチームへの信頼を口にした。バルセロナを「世界トップ3のチーム」としながらも、「相手をリスペクトしているし、バルセロナのサッカーをリスペクトするが、私は私たちの選手を信じている」と強調した。

 ジョン・ジーは「ここ(記者会見)に来る途中でも監督と話をした」と明かし、「バルセロナは最高のレベルのチーム。我々はそれには及ばない。しかし、チームとして必死に努力し、バルセロナと対戦するチャンスを得た。我々の力を発揮しないといけない。我々のすべてを出したい」と力を込めた。

 2年ぶり2回目のクラブW杯出場となる広州。2年前も準々決勝でアフリカ代表のアルアハリ(エジプト)を下し、4強入りを果たしたが、準決勝でバイエルン(ドイツ)に0-3で敗れた。再び挑む欧州王者。中国代表でもキャプテンを務める背番号10は「我々は次の試合を楽しむべきだと思う。いろんなことを学びたい。緊張はしないと思う。それよりもバルセロナとの対戦に期待をしている」と表現した。

 今年6月からチームを率いるブラジル人指揮官にとって、横浜はブラジル代表監督として02年日韓W杯を制したときの決勝の舞台でもある。報道陣から「W杯を勝った思い出の地だが?」と聞かれると、「私が勝ったのではない。ブラジルという国が優勝したんだ」と即答。「私はプレーしていない。グループの一部だった。監督は常にグループの一員だ。だからグループが勝ったと言ってほしい」と求めたうえで、横浜への思い入れを語った。

「もちろん、うれしい。横浜は国全体にとってうれしい出来事があった場所だ。今日、このスタジアムに入ってきたとき、当時の気持ちが少し蘇った。芝生を踏んだら、さらに当時の感情が蘇ると思う。でも、人生は進んでいる。こうして人生は前に進んでいくんだ。明日、何が起こるかを見てみよう」

 最後に「試合前、選手に対して特別なことをするか?」という質問を受けると、「特別なモチベーションを与えるつもりはない。世界のどれほどのクラブがこの位置にいたいと思っているか。バルセロナと対戦したいと思っているか。それを想像してほしい。それ以上のモチベーションはいらないだろう」と、バルセロナと対戦すること自体が特別なモチベーションになると指摘。そして、おもむろに隣に座っているジョン・ジーの腕をつかみ、諭すように語り出した。

「今の質問の機会を利用して一つ伝えたい。私のチームの一例だが、彼(ジョン・ジー)がキャプテンだ。非常にクオリティーが高く、サッカーを知っている。そして、ハートがある。彼は明日、それをすべて見せるだろう。彼と、チーム全員がそれを見せてくれるだろう」

(取材・文 西山紘平)

●クラブW杯2015特集

TOP