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[大学選手権]阪南大が国士舘大に3発快勝!同校史上初の決勝は関西勢対決に

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[12.16 大学選手権 国士舘大1-3阪南大 BMWス]

 アパマンショップPresents第64回全日本大学選手権(インカレ)の準決勝がBMWスタジアムで行われ、阪南大(関西2)が国士舘大(関東5)を3-1で下し、同校史上初の決勝に駒を進めた。関西学院大との関西勢対決となった決勝戦は、浦和駒場スタジアムで19日12時にキックオフする。

 阪南大が開始4分、いきなり試合を動かした。左サイドでボールを持ったDF康翔貴(3年=大阪朝鮮高)がFW外山凌(3年=前橋育英高)に縦パスを入れると、ゴール前に速いボールを折り返す。これに「練習通り、日ごろから意識的にやっている形」と話したFW前田央樹(3年=福岡U-18)がニアに走り込み、ワンタッチでゴールネットを揺らした。

 先制後も阪南大は試合を優位に進める。前半18分にはカウンターからMF岡部拓実(2年=正智深谷高)が絶妙なスルーパスを通すが、外山にはわずかに合わない。しかし同20分、右サイドで相手のクリアボールを拾ったMF八久保颯(4年=秀岳館高)がクロスを入れると、またも前田がワンタッチでゴールに流し込む。須佐徹太郎監督が2回戦の鹿屋体育大戦後に繰り返した「弾丸のように飛び込んでいく。“バリスティック・クロス”」がさく裂。前半だけで2点のリードを奪った。

 対する国士舘大。3日前の早稲田大戦で爆発した攻撃力が鳴りを潜めてしまう。「早稲田とはタイプが違った。リズムがなかなか掴めなかった」と話す、今季の関東1部得点王、今大会でも2試合連続ゴール中のFW松本孝平(3年=藤沢清流高)も前半はシュートゼロに終わるなど、完全に封じられてしまった。

 ただ後半に入ると、国士舘がようやくペースを掴みだす。しかし、11分に獲得したゴール前でのFKをMF荒木翔(2年=日本航空高)が狙うが、シュートは枠上。同13分にも今度は流れの中から松本が前に出たGKの後方を狙うループシュートを放つが、シュートを枠内に収めることは出来なかった。

 そして後半は思うように形が作れていなかった阪南大がワンチャンスを確実にものにする。相手ボールをカットしたMF重廣卓也(2年=広島皆実高)が右サイドのエリア内に走り込んだ八久保にスルーパス。八久保が右足を振り抜くと、ボールはGKの股下を抜けて、ゴールネットに収まった。

 国士舘大は後半31分、FW山本真也(4年=静岡学園高)から出たパスを松本が受けて浮き球を出す。これをキャプテンマークを巻くDF山田真己人(4年=神戸U-18)が頭で押し込み、ようやく1点を返す。しかし終盤は相手GK大西将(4年=阪南大高)の好セーブに阻まれるなど、追加点を挙げることは出来ず。関東5位からの下剋上は、4強の壁に阻まれた。

 しかし勝った阪南大の須佐監督は相変わらず手厳しい。試合内容にについては、「もう一つ歯切れが悪かった。いつもより攻めれない」。そう話す裏には、故障でスタンド応援を余儀なくされている7番MF脇坂泰斗(2年=川崎F U-18)と10番FW山口一真(2年=山梨学院高)の存在があると力説した。それでも「関学には全然勝っていないので結果を出したい」と決勝戦へ向けての切り替えを促す。

 決勝の相手、関学大は近年、全く結果が残せていない相手だ。昨季のインカレでは準決勝で対戦(●1-2)。そして今季の対戦でも、リーグ戦では1分1敗。関西選手権の決勝では2-5と敗れている。3戦すべてで得点を許し、関西選手権で5得点を許していた相手エースFW呉屋大翔(4年=流通経済大柏高)は決勝戦の累積出場停止が決定したが、指揮官は「一瞬の隙を突かれる。小林(成豪)なんかも阪南大戦はいつもスーパーになる」と油断を見せることはなかった。

 昭和60年大会(大商大と大体大が両校優勝)以来、30年ぶりの関西勢対決となった今大会に主将MF松下佳貴(4年=松山工高)は、「関西のレベルの高さを表現できる場。そういう意味ではすごくうれしい」と素直に喜ぶ。3年連続で決勝に駒を進めている関西勢。近年の関西大学サッカー界をリードする2校が、勢力図を完全に塗り替える。

(取材・文 児玉幸洋)
●第64回全日本大学選手権特集

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