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メッシ、ネイマール不在も…ハット達成のスアレス「朝6時から見ていた」世界一決定戦へ

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[12.17 クラブW杯準決勝 バルセロナ3-0広州恒大 横浜]

 ボールを地面に弾ませながらミックスゾーンに姿を見せた。クラブW杯史上初となるハットトリックでバルセロナ(スペイン)を決勝に導いたFWルイス・スアレスは「本当にうれしい。決勝に進めることが決まったので、今日と同じような良いプレーがしたい」と、20日の決勝を見据えた。

 前半39分、MFイバン・ラキティッチのミドルシュートがGKに弾かれたこぼれ球を素早く左足で押し込み、先制点。圧巻は後半5分の2点目だった。MFアンドレス・イニエスタからの浮き球のパスをPA内で胸トラップし、ノーバウンドで右足を振る。華麗な技ありボレーでゴールネットを揺らすと、ベンチで待つFWネイマールの下へ駆け寄り、抱き合って喜んだ。

 左内転筋を痛めているネイマールのほか、FWリオネル・メッシも尿管結石のため急きょ準決勝を欠場した。3人の頭文字を取って“MSNトリオ”と称される強力な攻撃陣は、まさに“飛車角抜き”の陣容だった。

 一人、気を吐いたスアレスは「ゴールを決めることは大事だけど、一番大事なのはチーム全員の努力だ」と指摘。「彼らがいないときはもっと頑張らないといけない。より責任があった? もちろん。だけど、その責任もみんなで分け合ったんだ」と、チーム全体の勝利だと力説した。

 ウルグアイ出身のスアレスにとってクラブW杯は、欧州王者と南米王者が一発勝負で激突した前身のインターコンチネンタル杯時代から思い出深い大会だ。「子供のときから朝6時に起きて、この試合を見ていたんだ」。そんなファイナルでは南米代表のリバープレート(アルゼンチン)と対戦する。

「リーベルは本当に強いチームだと思っている。相手は南米王者だ。リベルタドーレス杯に勝って、この大会に出場している。難しい以上のものがあると思う。タイトルを獲得するために全力を尽くしたい」

 腕に抱えたボールについて報道陣から「息子にプレゼントする?」と聞かれたスアレスは「いや、バルセロナの博物館に寄贈するよ」と笑顔で応じた背番号9。メッシ、ネイマールの復帰も不透明な中、世界一の行方はその双肩にかかっている。

(取材・文 西山紘平)

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