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[大学選手権]38度の発熱感じさせないプレー、阪南大MF重廣「来年こそ金メダルで日本一に」

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[12.19 大学選手権決勝 阪南大0-4関西学院大 駒場]

 38度の熱があった。しかしそれを明かすことはせず。ただただ真正面から敗戦を受け入れた。全日本大学選手権(インカレ)で初の決勝進出を果たした阪南大だったが関西学院大に0-4で敗れた。この一戦でフル出場したMF重廣卓也(2年=広島皆実高)は積極的にシュートを放つなど、一人気を吐いたが実は38度の発熱があったという。

 試合後、マスク姿で引き上げた重廣は自身のコンディションには一切触れず。「何も出来なかったですよ」と反省を口にし、「シュートを打っても入らないし。動き自体は悪くなかったと思いますけど、最後のところで仕事ができなくて本当にダメでした」と自身の無力さを嘆き、唇を噛んだ。

 とはいえ、正確なパスや飛び出してのチャンスメイクは光った。前半17分には左サイドからドリブルで仕掛けて、後方へパス。相手を引きつけ、チャンスを演出した。前半終了間際には右サイドをドリブル突破。相手DFのファウルを誘い、絶好の位置でFKを獲得する。しかしMF外山凌(3年=前橋育英高)のFKは壁に当たった。前半アディショナルタイム1分には、左サイドを攻め上がったSBのリターンを受け、ミドルシュートを打つもクロスバー上へ外れた。コンディションの悪さを跳ね除けるように必死に走り、前線へ顔を出しては仕掛けたが1点が遠かった。

 大学2年目の今シーズン。2年生ながらユニバーシアード日本代表に選ばれるなど、貴重な経験を積んだ。「国際試合など色々な場所で色々な相手とやって。味方もチームメイトも変わって。対応力を伴わないといけないなかで、対応力というのはついたかな」と振り返る。

 今季は故障の影響で辛い思いをした時期もあったという。ユニバーシアード後の9月9日、関西学生リーグ・前期第10節の関西学院大戦(3-3)で骨折し、離脱。10月25日の後期第7節・大阪体育大戦でリーグ戦8試合ぶりのベンチ入りを果たし、後半28分から途中出場で復帰するも、第8節・桃山学院大戦もベンチスタート。2試合連続で先発から外れた。

「怪我をしてから調子が戻らなくて、スタメンも外れたし、それはプレッシャーにもなって、不安にもなって。一番辛かった」。それでも11月7日の第9節・びわこ成蹊スポーツ大戦で先発復帰。そこから最終節までの3試合は先発の座を守り、冬の大学日本一決定戦であるインカレを迎えた。全国の舞台では決勝を含む全4試合に先発出場した。

 世界大会も経験した1年の締めくくり。いい形で終わらせたかったが、結果は悔しい準優勝。冷静に敗戦を受け止めた重廣は「去年のインカレでは銅メダル。今年は銀メダル。一つずつ上がっているので、来年は金メダルで日本一を取れれば」と誓った。

(取材・文 片岡涼)
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