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[選手権]ユース取材ライター陣が推薦する「選手権注目の11傑」vol.5

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特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校選手権注目の11傑』」

 ゲキサカでは開幕が近づいてきている全国高校選手権の注目選手を大特集。「選手権注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター5氏に選手権注目の11選手を紹介してもらいます。第5回は、(株)ジェイ・スポーツのJリーグ中継プロデューサーを務める傍ら、東京都中心にユース年代のチーム、選手を取材する土屋雅史氏による11名です。

 土屋雅史氏:「いつも通り東京のチームを中心に選出させてもらっていますが、それ以外の地域の選手も含め、実際にプレーを見て、あるいは試合後に話をお聞きしたりして、何か1つでも『スペシャリティを持っているなあ』と感じた選手を挙げさせてもらいました。ですので、チームバランスやポジションバランスは一切考えておりません!是非1人でも多くの高校生が、選手権という最高の舞台で一生心に残るような思い出を創ってくれることを願っています」

以下、土屋氏推薦の11名
GK平田周(國學院久我山高1年)
「入学式前に行われた4月1日のT1リーグで、いきなり完封での公式戦デビューを果たした期待のルーキー。全国総体は負傷もあって出場することは叶わなかったが、復帰した選手権予選では準決勝、決勝と苦しい試合を共にシャットアウト。決勝後には敵将からも称賛を受けた。『ピッチに出ている以上、学年は関係ない』と話すメンタルも魅力的。第85回大会の石森慎也(盛岡商高)以来、9年ぶりとなる1年生守護神の全国制覇を目指す」

DF高橋勇夢(駒澤大高2年)
「都内屈指の実力を有していた昨年度のチームでも早々にメンバー入りを果たすなど、1年時から期待を集めているサイドバック。攻守に貢献できるハードワークはもちろんだが、特筆すべきはセットプレーでの得点力。今年は新チーム初の公式戦となったT1リーグ開幕戦でゴールを奪うと、選手権予選決勝でも先制ゴールをマーク。『アイツは何か持っているんですよね』大野祥司監督も笑う“何か”を全国でも発揮できるか」

DF杉岡大暉(市立船橋高2年)
「名門イチフナで1年生から最終ラインを支えているレフティCB。対人に強く、インターセプトの判断とタイミングも抜群で、ボールを奪うと時折そのまま最前線まで駆け上がるシーンも。左足でのフィードも精度が高く、現代的なCBの要素を高次元で兼ね備えている。U-17日本代表にもコンスタントに招集されており、気は早いが自身にとっての地元で行われる東京五輪にも期待したくなってしまう逸材だ」

DF嶋田遼允(米子北高3年)
「圧倒的な高さと強靭なフィジカルを有するまさにCBらしいCB。全国総体では堅守速攻を貫くチームを最後尾から支え、ベスト8進出に大きく貢献した。1年時は敗れたものの優勝候補の青森山田高をPK戦まで追い詰め、昨年も頂点に立った星稜高を最後まで苦しめるなど、過去2年で選手権の雰囲気はきっちり経験済み。いきなり市立船橋高と激突する3度目の大舞台での躍進は、間違いなく彼の存在が鍵を握っている」

DF山本研(國學院久我山高3年)
「元々はMF登録だったことからもわかるように、技巧派の選手が揃う國學院久我山の中でも高い技術が光る攻撃的な左サイドバック。右に位置する宮原直央、左の山本とサイドバックがゲームを創れることは、ボールを大切にするチームの中で大きなアドバンテージになっている。また、プレースキッカーとしても高い精度を誇っており、選手権予選では準々決勝と準決勝の試合中に続き、決勝のPK戦と3試合続けてPKを成功させた」

DF真下瑞都(矢板中央高2年)
「ダークホースの呼び声も高い矢板中央でレギュラーを任されている2年生。本来はCBだったものの、今年からトライしている『最初は左足が蹴れなかったので難しかった』左サイドバックで急成長。『1対1は絶対負けないですし、ヘディングも自信はあります』と言い切るように、安定感のある守備力が光る。さらに『中学の時に先輩と遊んでいたら『飛ぶなあ』と気付いた(笑)』というロングスローも高さのあるチームの大きな武器に」

MF名倉巧(國學院久我山高2年)
「全国ベスト16まで躍進した選手権でも全3試合に途中出場を果たし、流れを変えるジョーカー的な役割を担っていた昨年から一転して、今シーズンは押しも押されぬ3トップ下として欠かせない戦力へ。清水恭孝監督も『ウチで最も“久我山らしい”選手』と信頼を寄せており、狭いスペースで発揮されるテクニックとアイデアは一見の価値あり。「自分たちの力が出し切れなかった」と悔やむ全国総体のリベンジを今大会に誓っている」

MF加藤潤(新潟明訓高3年)
「1年時から絶対的なチームの主力として活躍してきたレフティがとうとう選手権の舞台でベールを脱ぐ。その技術や戦術眼の高さはプレーを見れば一目瞭然だが、もう1つの武器は大人を前にしても物怖じしないトーク力。選手権の抽選会ではステージ上での受け答えで『普通のコメントになるのも嫌だったので、みんなが使っていなかったのもあって』とっさに“笑顔で”というフレーズを投入。ピッチ内外で機転の利くキャプテンからは目も耳も離せない」

FW有国修平(広島皆実高3年)
「サイドを主戦場に置くスピードスター。トップギアに入った時の加速力には目を見張るものがあり、チームの強烈な推進力として機能する。極端にリトリートして戦うことを選択した全国総体準々決勝の関東一高戦では、数少ないカウンターのチャンスで自ら得点を奪うなど全国のステージで決定力も披露。さらに、選手権予選決勝でゴールに叩き込んだ無回転FKも隠し持つなど、常に何かをやりそうな雰囲気を漂わせている」

FW深見侑生(駒澤大高3年)
「2年時はほとんどトップチームでの出場機会を得られず、今シーズンも序盤戦はチャンスにこそ絡むものの決め切れないシーンが目立ち、ボランチやサイドハーフで起用される試合も少なくなかったが、夏場にチームメイトが実力を伸ばすのを見て『自分だけ置いていかれたくないなというのがあって、自主練を結構してきた』ことで着実に成長し、最前線のポジションに定着。最後の冬はキャプテンで10番のストライカーという大役を担い、開幕戦の晴れ舞台を迎える」

FW田辺大智(新潟明訓高3年)
「この夏まで務めていたサイドバックでなかなか結果を出せず、サイドハーフもハマらなかったが、最後の最後で起用されたストライカーで大ブレイク。『FWとしては何も教えていないのですが…』と田中健二監督も苦笑する中、選手権予選決勝では後半終了間際に劇的な勝ち越しゴールを叩き出し、チームを優勝へ導いた。思い切りの良さとパワー、そして正確さを含めたシュート力は大会トップクラス。コンバートから4か月の“新米ストライカー”が全国を震撼させる日は近い」

[写真]土屋氏が推薦するひとり、新潟明訓MF加藤

■執筆者紹介:
土屋雅史
(株)ジェイ・スポーツに勤務し、Jリーグ中継を担当。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。
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