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[選手権]Dブロック展望~巧者、実力派揃い。最注目は前回準V・前橋育英vsV候補・大津のビッグマッチ~

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第94回全国高校サッカー選手権

[Dブロック]
都市大塩尻高神戸弘陵高國學院久我山高広島皆実高明秀日立高四日市中央工高帝京三高高松南高日大山形高山口県鴻城高大津高前橋育英高

 前年度準優勝の前橋育英(群馬)は第2シード校となったが、初戦から何ともハードなブロックに入ることとなった。フクダ電子アリーナの2回戦でぶつかる相手は、各校監督が「優勝候補」と口をそろえる大津(熊本)。FW一美和成、DF野田裕喜というG大阪内定の攻守2枚看板だけでなく、MF吉武莉央河原創杉山直宏、GK前田勇矢などハイレベルなタレントがそろった。前橋育英にとってはせっかくのシード権が無に帰すようなクジ運だが、昨年のメンバーがほとんど残らず、「自分たちはチャレンジャー」(MF金子拓郎)という精神で戦うチームにとっては、挑戦心を刺激する組み合わせとも言える。FW横澤航平野口竜彦の2トップなど、今年のチームのポテンシャルを示す格好の大一番とも言えるだろう。ポイントはサイド攻撃とMF尾ノ上幸生が蹴り込むセットプレーか。

 その勝者と3回戦で対峙する相手は帝京三(山梨)が本命か。ポジション的に穴がなく、主将のDF木村祥太郎を中心にまとまりも良い好チーム夏の高校総体で16強入りした自信というベースもあり、身体能力で相手DFを粉砕するFW小山駿と夏の総体で決定力を見せつけたFW梅田至の前線コンビの出来次第では大躍進もありそうだ。その帝京三と初戦でぶつかる高松南(香川)は獅子奮迅系GK岡宗立を軸に守りつつ、FW德田空のロングスローを含めた得意のセットプレーに勝機を見出したい。この2チームの勝者と当たる18年ぶり出場の日大山形(山形)と初出場・山口県鴻城(山口)も共に守備がキーとなる。日大山形は186cmの大型CB石井理貴の強さが光るチームで、山口県鴻城は主将のCB南郁亜を軸に組織で守る好チームだ。

 隣の山では國學院久我山(東京A)と広島皆実(広島)という一回戦屈指の好カードが最注目。長年チームを指揮してきた李済華監督がチームを離れた國學院久我山だが、清水恭孝監督になってもスタイルに変更はない。ショートパスをベースにした技巧的かつ機能的なサッカーで「美しく勝つ」ことを狙う。対する広島皆実もFW前谷慧など技巧的な選手がそろうが、MF藤井陸、DF二井野巧らが軸となって泥臭く守ることができるのも強み。激戦必至だろう。

 その隣では名門・四日市中央工(三重)に初出場・明秀日立(茨城)が挑む。広島内定MF森島司がFW原田大輝伊藤圭都、MF小林颯ら強力攻撃陣を操る四中工は、紛れもなく「優勝を狙う」(森島)チーム。明秀は予選で見せたような粘り強い戦いからスーパーサブのFW小磯克文を投入する流れに持ち込みたい。そして、この山を抜けたチームが当たるのは、都市大塩尻(長野)と神戸弘陵(兵庫)の勝者。戦力的にはFW入谷子龍土井智之の強力2トップなどを擁するプリンスリーグ関西王者の神戸弘陵が一枚上と観るが、都市大も鮎沢将と涼の最強ツインズを軸に、戦えるチームなのは間違いない。選手権の経験値という意味では連続出場の都市大に分があるだけに、興味深い試合になりそうだ。

(取材・文 川端暁彦)
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