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[MOM1639]駒澤大高FW深見侑生(3年)_「力がない」3年生が開幕戦で輝く!主将はゴール決め、右SBでも勝利貢献

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.30 全国高校選手権開幕戦 駒澤大高2-1阪南大高 駒沢]

 駒澤大高は「力がない」と言われ続けてきた3年生が開幕戦で輝いた。10番のFW深見侑生主将(3年)が先制ゴールを決め、同じく3年生のFW竹上有祥が決勝点。大野祥司監督が「感極まるというか……やっと彼らが結果を出してくれた」と心から喜び、2年生のリーダー・右SB高橋勇夢も「竹上さんだったり深見さんに助けられた試合だったので凄い感謝しています。2年生が結果残してきている中で3年生が苦しい思いをしているのを見てきているので、あの2人が決めてくれて嬉しかったです」と感謝し、その活躍を讃えていた。

 その中でチームを勢いづけたのは間違いなく主将の一撃だった。前半28分に右サイドで相手DFからボールを奪い取ったMF栗原信一郎がラストパス。「(気づいたら)足下に来ていて慌てていた」という一発目の右足シュートはGKの正面を突いてしまったが、跳ね返りを左足でしっかりと押し込んだ。すると、真っ赤に染まったスタンドへ走り寄って「みんなにゴール決めたら何かやれよと言われていた」と歓喜する仲間たちを煽るようなパフォーマンス。「もちろん狙っていたんですけど本当に自分が決めれるとは思っていなかったので、嬉しかったですね」とチームを勢いづけた一撃を素直に喜んだ。

 前線で身体を張り、ゴールを決め、後半16分からは負傷のために交代した高橋に代わって右SBを務めて守備でも奮闘した。右SBは前日練習で確認をしていたが、それ以前は1年時に少し経験しただけ。「前日練習でちょっとやって。まさかやらないだろうと思っていたんですけど」と笑ったが、それでも大野監督が「能力的には高い子。守備の仕方も何も言わなくても上手なので」というようにほぼ問題ない守りで阪南大高の攻撃を封じていく。相手のカウンターでは仲間に指示を出してスペースを消し、対人でも健闘。また攻撃面では右足、左足でクロスを上げきるなど“予想外”のSBでもしっかりとチームの勝利に貢献した。

 深見は駒大高でGKを除く全ポジションを経験してきているというユーティリティープレーヤー。「特にこれといって得意なポジションはないですね」という中で先発したFWのポジションについては「点取れるのが一番重要だと思います」。そのポジションでしっかりと結果を残した。ゴールを決め、多用性の高さも示した主将だが、何より喜んだのはチームの代表として3年生たちが活躍したこと。「3年生が怒られ続けて見返してやるぞじゃないですけどそういう気持ちで臨みました。自分的には嬉しいというか2年生も奮起してもらいたいと思います」。緊張感ある全国開幕戦で「力がない」と言われた3年生が有能な2年生たちを背中で引っ張った。257人の部員を束ねる主将が「走り勝ちたい」という2回戦でもチームの為に走りぬく。
 
(取材・文 吉田太郎)

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