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[選手権]「悔しい気持ちの方がデカイです」駒澤大高の注目SB高橋は自ら交代要求して涙

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[12.30 全国高校選手権開幕戦 駒澤大高2-1阪南大高 駒沢]

 後半16分、駒澤大高の背番号2はベンチに下がると、自身の不甲斐なさに我慢できず涙を流して悔しがった。右SB高橋勇夢は駒大高2年生の学年リーダー。東京都予選決勝では前半14分に左CKから豪快なヘディングシュートを決めている。176cmだが、空中戦に滅法強く、スプリントでき、また高精度のクロスボールも操るDFは注目の存在だった。

 だが、夏から抱えていた臀部の負傷とそれをかばってきたことで足裏も痛めてしまい、コンディションは決して良くない。試合前日の時点では出場できるかどうかの状況だったという。「強い思いがあったので出させてもらった」と痛み止めを飲んで、強行出場したが痛みに勝つことができず。対面した阪南大高の左SB岸元海とのオーバーラップの駆け引きなどに意欲を燃やしていたが、痛みによって思い通りに身体を動かすことができなかった。

 痛みが強くなった後半、「チームに迷惑かけるならば」と自ら交代を要求。ベンチ横で涙をこぼすとチームメートは静かに背中を叩いて健闘を労っていた。チームはリードを守り切って2-1で勝利した。もちろん勝利したことは嬉しい。ただ、高橋自身には悔しい思いが残った。「個人では何もできずにあっという間に終わってしまった80分間だったので。悔しい気持ちの方がデカイです」。

 幸いなことに開幕戦を戦ったことによって、1月2日の2回戦までは3日間の猶予期間がある。コンディションを向上させることができれば、チームにとっても大きな戦力となるだけに「少しでもいい状態で臨みたい」。まずは回復に全力を費やして「次こそ」チームの力になることを目指す。 

(取材・文 吉田太郎)

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