beacon

[選手権]初戦3日前の主力FWの骨折アクシデント乗り越え…帝京三は高松南に3発快勝発進

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.31 全国高校選手権1回戦 帝京三高3-0高松南高 ゼットエー]

 第94回全国高校サッカー選手権の1回戦が31日に行われ、ゼットエーオリプリスタジアムの第1試合では、帝京三高(山梨)が高松南高(香川)に3-0で快勝した。来年1月2日に行われる2回戦では、山口県鴻城高(山口)と対戦する。

 初戦を3日後に控えた28日の練習で、帝京三をアクシデントが襲っていた。今季これまで得点源のFW梅田と2トップを形成し、攻撃をけん引していたFW小山駿が負傷。ボール回しをしていた際に、ボールに乗り上げてバランスを崩してしまったのだという。判明したのは右足小指の骨折。高校最後の大会のスタンド観戦を余儀なくされた。

 もちろんチームに動揺がないわけではない。しかし目の前に大事な試合が迫る中で、切り替えて臨まないわけにもいかない。相良和弘監督は「仲間のために戦いなさい」と声をかけて試合に送り出していた。

 だがそんな心配をよそに、試合は終始、帝京三がペースを握り続けた。前半13分に右サイドからのCKを獲得すると、FW梅田至(3年)のクロスを中央に飛び込んだMF村上光樹(3年)が頭で合わせて先制。同35分には梅田の強引な中央突破からボールがこぼれるとゴール中央でフリーで受けた村上が右足で流し込み、リードを広げた。

 後半に入ると2トップの一角で先発させていたFW谷戸捺希(3年)と右サイドの村上のポジションを変更。サイドにスピードのある谷戸を置くことで、より攻撃の活性化を求めた。すると後半9分、左サイドに流れた梅田がDFを引き付けてグラウンダーのクロスを折り返すと、左サイドから中に走り込んだMF山元潤がワンタッチで流し込む。スピード感のある攻撃で追加点が生まれた。

 その後も帝京三が圧倒する。後半20分の途中出場のFW泊谷翼(3年)のシュートはクロスバーを直撃。同29分には右サイドの崩しから泊谷がフリーの状態でゴール前に走り込む。タイミングがわずかに合わず、流し込むことは出来なかったが、余裕を感じさせる試合運びを見せた。

 好調な立ち上がりを見せた攻撃陣同様、守備陣の好調ぶりも目を引いた。主将DF木村祥太郎(3年)ら4枚で形成するDFラインが完璧なまでに高松南の攻めを封じる。後半39分にはこの試合唯一のピンチと言っていい場面、FW河田大聖(2年)に右足強烈シュートを打たれるが、ボールは右ポストを叩いて外れていった。

 小山の離脱によって、相棒のストライカー梅田にはより負担が掛かっている。ただ、背番号7のストライカーは徹底マークに遭う中で、2アシストを記録。「自分にマークが集まれば回りが空く。回りをうまく使えればいいと思った」と切り替えた結果が奏功した。今夏の総体で4得点を挙げたことが自信に繋がっていると話す梅田は、「駿のためにもって思っていますし、駿には俺がいないからって思わせたくない。勝って、駿を(準決勝、決勝のある)埼スタにつれていきたいです」と力強く語った。

 一方の全国選手権の出場は34年ぶりとなっていた高松南だが、今季は香川県で新人戦、総体予選、そして選手権予選と県内3冠を達成。“県内最強”の看板を背負って全国の舞台に臨んでいた。しかし総体では流通経済大柏高に1-5で敗戦。そして冬の舞台でも帝京三に0-3と分厚い壁に跳ね返されてしまった。「今季は県内のトーナメントを負けずにきたが、それでもウチはチャレンジャーだった」と改めて全国の厳しさを痛感した様子の三崎輝久監督。「また新しいチームを作って戻ってきたい」とリベンジを誓っていた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 児玉幸洋)

▼関連リンク
【特設】高校選手権2015
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015
DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」特設ページ

TOP