beacon

[選手権]97年度以来の“夏冬連覇”へ…!!大本命・東福岡、3Gで遠野との初戦を突破

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.31 全国高校選手権1回戦 遠野高0-3東福岡高 フクアリ]

 フクダ電子アリーナで行われた第94回全国高校サッカー選手権1回戦に、今夏のインターハイで大会連覇を達成した夏の王者が登場した。東福岡高(福岡)は序盤から、3年連続25回目と選手権の常連校である遠野高(岩手)を圧倒。前後半合わせて3得点を奪い、1997年度以来となる“夏冬連覇”に向けて、順調な滑り出しとなった。

 トラップ、パススピード、判断力、1対1での仕掛け……組織でも個でも遠野を凌駕する東福岡が、前半から圧倒する。前半12分には、MF中村健人(3年)の左CKから、DF小田逸稀(2年)が先制点を叩き出した。「餅山(大輝)さんが『前に行く』と言ったので、後ろに行きました。中村さんから良いボールがきて、餅山さんも触れたと思うんですけど、自分が『OK!』と言ったらスルーしてくれたので、後は当てるだけでした」。中村からのライナー制のクロスを、ファーサイドの小田が高い打点のヘディングで合わせた。

 東福岡の代名詞ともいえる4-1-2-3の布陣に対して、遠野は3-4-2-1でスタート。守備時には両ウイングバックも最終ラインに戻り、東福岡に対抗した。遠野の長谷川仁監督は「東福岡の2シャドーに対しても人がつけるように3バックにしました」とその理由を明かした。「前半0-0でいければベスト」という指揮官のゲームプランは、崩れてしまったが最少失点で最初の40分を終えた。

 しかし、後半4分に再び左CKのチャンスを得た東福岡は、中村のボールをDF福地聡太(3年)が頭でとらえると、相手のオウンゴールを誘い、リードを2点に広げる。さらに同10分、左ウイングのMF高江麗央(2年)がドリブルで仕掛ける。遠野DFがクリアしようとしたボールは、ゴール中央へのハイボールになる。落ちてきたボールをMF三宅海斗(3年)の左足がジャストミート。ボレーシュートがネットを揺らした。

「前の3人になかなかボールが入らなかった」と指揮官が悔んだように、前半はシュートを1本しか打てず、押し込まれる時間が続いた遠野だが、後半20分、MF佐藤充(3年)が高い位置で東福岡のパスをカット、最後は途中出場のFW佐々木琢光(2年)が左足でシュートを放つも、ボールはゴールマウスから逸れてしまう。

 終盤、東福岡はトレーニングのように軽快にパスを回してシュートまで持ち込んだが、3-0のまま試合を終えた。遠野の4本に対して、約5倍にあたる19本のシュートを放ったもののゴールを決め切れないシーンが見られたことに、森重潤也監督は「GKの正面であったり、セーブされたり、もうちょっと思い切りよくいけたんじゃないかなと思います」と内容には不満の様子だったが、「今日は中身よりも勝つことが大事」と1回戦を勝ち進んだ結果を重視した。

「総力戦」と森重監督が題した選手権。「メンタルも含めて調子がいい選手から使っていきたい」。東福岡の次戦は、来年2日、ダークホースの呼び声高い新潟明訓高(新潟)と対戦する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2015
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015
DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」特設ページ

TOP