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[MOM1654]東福岡MF中村健人(3年)_CKから2点を演出!高精度のキックで魅せるヒガシの10番

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 遠野高0-3東福岡高 フクアリ]

 今夏のインターハイで連覇を達成し、冬の選手権も獲って“夏冬連覇”を狙う東福岡高(福岡)が、危なげなく初戦を勝ち上がった。奪った3得点のうち、2つは左CKから。そのいずれでもキッカーを担ったのは、ヒガシの10番、MF中村健人(3年)だった。

 前半4分の右CKでは早速ゴール中央のDF福地聡太(3年)の頭に合わせる。シュートは惜しくもクロスバーに跳ね返されてしまったが、その9分後の12分には左CKを得る。すると、今度はライナー制のボールでファーサイドへ。DF小田逸稀(2年)が打点の高いヘディングでゴールネットを揺らした。「中村さんから良いボールがきて、後は当てるだけでした」と先制点を呼び込んだ小田は、先輩に感謝を示す。

 さらに後半4分の東福岡の左CK、もちろんキッカーは背番号10。右足から放たれたボールは、またもゴール中央の福地の頭をとらえる。ヘディングシュートはゴールマウスに向かうと、クリアしようとした遠野DFに当たってオウンゴールを誘発した。中村から次々と繰り出される精度の高いキックに「練習でやった通りです。いろいろボールは使い分けていますが、精度めっちゃ高いです」と、後輩の小田は尊敬の念を込めた。

 東福岡のセンターフォワード1枚とインサイドハーフ2枚に対して、3バックを採用した遠野高(岩手)の長谷川仁監督。しかし、それもMF三宅海斗(3年)が「県予選でもそうだった」と言うように、東福岡の選手には織り込み済みだ。インサイドハーフの中村はそれを逆手に取り「3バックの裏のスペースを狙った」。ウイングを飛び越えてサイドの高い位置まで飛び出し、先発22人の中で唯一半袖でプレーするその出で立ちだけでなく、プレーでも存在感を見せつけた。

 スコア以上にチームとしての完成度で差を見せてくれたが、それでも真価は発揮していないと言う中村。「大舞台に慣れていない分、選手たちも緊張していたんだと思います」と優勝候補の本命チームでも選手権ならではの空気感に戸惑いがあったが、「次からは大丈夫」と自信を見せた。「自分のやりたいプレーを思い切りやるのが一番。次の試合までには伝えたい」。昨季の選手権も経験しているキャプテンは、チームメイトへのアドバイスを胸に、昨年は果たせなかった“夏冬連覇”への一歩を踏み出した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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