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[選手権]前日練習で足首負傷…ベンチで終えた日章学園MF竹脇主将は涙止まらず

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[1.2 全国高校選手権2回戦 富山一1-0日章学園 ニッパツ]

 悔しさやむなしさ、やりきれない思いでいっぱいだった。日章学園(宮崎)は全国高校選手権2回戦で富山一高(富山)に0-1で敗れ、2回戦で姿を消した。主将を務めるMF竹脇雄大(3年)だったが、前日練習で左足首を痛めた影響で欠場。ベンチから試合を見守り、敗退が決まると涙した。

 前日練習の紅白戦で左足首を捻挫。「その時点で明日の試合は出られないなと涙が出てきてしまいました」と振り返る。足を引きずり病院へ向かい、レントゲンを撮った。その結果、骨折は確認されなかったが、重度の捻挫で出場は無理と告げられた。病院では涙が止まらなかったものの、夜遅くに宿舎へ戻ると落ち着きを取り戻したという。

 試合前にはチームメイトが口々に「お前の分も頑張るから!」と声をかけてくれた。準々決勝まで勝ち進めば、「なんとかなるかも」と出場の可能性があった主将を皆が気遣った。しかし、試合は無情な結果。28分に失点した前半はシュート0本に終わり、後半はチームとして4本のシュートを放つも決定機は少なかった。

 ベンチで戦況を見守った竹脇主将は「浮き足立っていた感じで、自分たちのサッカーが思うようにできなかった」と唇を噛む。最後までネットを揺らすことはできずに0-1の敗戦。試合後のロッカールームで仲間たちは主将へ「勝てなくてごめん」と涙ながらに謝っていたという。

 今後は看護の専門学校へ進学予定の竹脇主将。「これでサッカー人生は終わりなので悔しいです」とうつむき、「今後はサッカーはしません」と言い切った。

 消え入るような声で話した竹脇だったが、後輩たちのことへ話が及ぶと、その口調にわずかに強さが戻った。「自分たちは初戦で負けましたけど。来年は全国でもっと上を目指して欲しいです」。3年連続の全国へ日章学園を牽引してきたMFの思いは、後輩たちへ託された。

(取材・文 片岡涼)
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
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