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[MOM1656]桐光学園FW小川航基(3年)_ゴール前から逃げるのではなく「我慢」すること、磐田入りFWが2発!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 桐光学園高 3-0 長崎南山高 等々力]

 成長したのは「我慢」できるようになったこと。桐光学園高のU-18日本代表FW小川航基主将(3年、磐田内定)が、後半9分の先制点と31分に決めたPKによって最後の選手権を2得点でスタートした。前半は17分に右クロスからヘディングシュート。同27分には右サイドからのクロスボールにファーサイドで反応すると、胸コントロールでDFを振りきって決定的な左足シュートを放った。だが、長崎南山高GK藤岡柊太の好守にあうなど前半は無得点。相手が両ウイングバックも下がってスペースを埋めてくる中でボールに触る機会も増やすことができなかった。

 それでも「前半特に何もできなかった。でも逃げるのではなくて、どんなにボール来なくてもゴール前で勝負するこだわりがある」と振り返ったように、安易にボールを受けられるポジションに逃げるのではなく、ゴール前のポジションで勝負し続けたことがゴールをもたらす。後半9分、桐光学園は右サイドでのコンビネーションからMF鳥海芳樹(2年)がDFを置き去りにして抜け出す。その折り返しをニアサイドに入った小川が右足ダイレクトで合わせて、ゴール左隅へ流し込んだ。

 ゴール前で我慢して奪った先制ゴール。「我慢するということが一番大事で、そこが一番成長できたかなと思います。以前は自分にボールが入らなかったりすると、イライラしてしまって下がってボールを触りたがったりというのが多かったので、そこで我慢できるようになったのは大きなポイントだった」。それがこれまでからさらに成長し、ゴールを量産できるようになってきたポイントだ。また、ハーフタイムに鈴木勝大監督から受けた指示も忠実に守った。クロスに対して一瞬でDFを振りきってニアへ飛び込んでのゴール。長崎南山の村里英樹監督は「普通ならばつけるけれどタイミングよく入られた。分かっていてもやられてしまった」と振り返り、小川は「(クロスに対して)ニアに走りこめということを強く言われていた。そのイメージが残っていたので前に入った時に勝負あったかなと思いますね」と納得の表情を見せた。

 後半31分にはMFイサカ・ゼイン(3年)が獲得したPKを「譲ってもらって」右足で決めた。貪欲にハットトリックを狙いにいった小川は37分に左サイドでDFを背負った状況から強引に仕掛けて右足コントロールショット。内側に巻いた一撃は鮮やかな弧を描いてゴール方向へ向かったが、ポストに弾かれた。「いやー、アレは入ったと思ったんですけど」と苦笑した小川は観衆を大いに沸かせたが、結局3点目が取れず。試合後にOBのMF藤本淳吾(現横浜FM)からは「安心して見れた」と声をかけられたが「前半も点入らなかったですし、焦らなくてもいいと言っても決めるところはたくさんあったので改善したい。(個人的には)5、6点決めれたシーンもあったので、その精度というのがまだ足りない。仲間にも申し訳ない」と悔しがった。

 自分がゴールを決めるかどうかで勝敗が左右されることは分かっている。「歴史を塗り替えたいという気持ちで全員ができていると思う」という桐光学園を日本一へ導くために小川がやらなければならないのは今後もゴールを連発し続けること。「期待されて、その期待に応えること」と語る注目ストライカーが青森山田高との3回戦もチームを勝利へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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