[1.2 全国高校選手権2回戦 札幌大谷 0-3 中京大中京 NACK]

　第94回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行った。NACK5スタジアム大宮での第2試合では、札幌大谷高(北海道)と中京大中京(愛知)が対戦した。早い時間帯に2ゴールを挙げた中京大中京は、後半にもMF辻星哉(3年)のロングシュートが決まり、3-0で勝利。3回戦に勝ち進んでいる。

　前日の試合後、「うちはスロースターター」と話していた中京大中京の岡山哲也監督は、序盤から集中して試合に入るように伝えていたという。「ベターにしようと話していたら、ベストになった」と、指揮官は振り返ったように、この試合では早い時間帯に先制点を挙げる。

　前半4分、GK岩本大輝(3年)のキックをFW柳完治(3年)がフリックする。2列目からボックス内に走り込んだMF井村早良(1年)がスライディングでボールを止めて反転。中央に出したボールがDFに当たると、こぼれ球をMF本山遊大(1年)がゴールに決めて先制した。中京大中京の1年生コンビは、追加点も演出する。12分、今度は本山からのスルーパスを受けた井村が、GK坂桂輔(3年)との1対1を確実に制して、リードを2点に広げた。

　その後も中京大中京は好機をつくり、20分にDF水口豪(3年)からの折り返しを柳がシュートしたが、GK坂がセーブ。27分にもMF福山大貴(3年)が浮き球のパスを最終ラインの裏に送ると、井村が走り込んでシュートを打ったが、ここもGK坂にブロックされて追加点を挙げられなかった。

　なかなか攻められなかった札幌大谷も、少しずつシュートの回数を増やしていく。しかし、36分に敵陣でボールを回し、左サイドの深い位置から折り返したボールをMF大山武蔵(2年)がシュートするが、枠をとらえられずにチャンスを生かせない。札幌大谷は前半で7本のシュートを放ったものの、1点も挙げられずに前半を折り返した。

　後半に入ると、より札幌大谷がボールを保持する時間帯を長くする。46分には、この試合見せ場のなかったU-18フットサル日本代表候補のFW内田洸介(3年)、FW荒木拓也(3年)を下げ、FW坂下雄也(1年)、MF高橋恒大(2年)の2枚を投入する。坂下は最終ラインの裏を狙い、高橋は右サイドで技術を生かしたドリブルで、攻撃に変化を付けた。

　ほとんど攻める機会のなくなった中京大中京だったが、一瞬のスキを逃さなかった。センターサークル内でファウルを受けると、MF辻星哉(3年)が右足を鋭く振り抜いた。「1回戦を見ていて、相手のGKがすごく前に出るのが分かっていたから、最初からずっと狙っていた」という辻のシュートは、グングンと伸びていき、GK坂の頭上を越えてゴールネットを揺らした。

　50メートルのスーパーシュートでリードを3点とした中京大中京は、試合終盤に札幌大谷に押し込まれる。高橋が右サイドから再三にわたって良いクロスを入れたが、中で合わせることができなかった。そのまま、札幌大谷にゴールを割らせることはなく、2試合連続完封勝利。前回大会王者である星稜高の待つ、3回戦に進出している。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文　河合拓)

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