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[選手権]村上が11分でハット完成!!大量8発の帝京三、“鬼門”3回戦へ

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[1.2 全国高校選手権2回戦 帝京三高8-0山口県鴻城高 ゼットエー]

 帝京三高(山梨)と山口県鴻城高(山口)による第94回全国高校サッカー選手権2回戦は、8-0という一方的な展開で幕を閉じた。帝京三は、前半のうちにMF村上光樹(3年)がハットトリックを達成するなど、大量5得点を奪い試合を決めた。「前半、なかなかボールにいけなかったし、戦えなかった。やってきたことができなかった」。堅守が武器の鴻城、竹田典正監督はその持ち味を発揮できなかったことを悔んだ。

 ゴールショーの口火を切ったのは、選手権初出場となるMF引間楓太(3年)。開始わずか6分で、弾丸のようなミドルシュートを鴻城ゴールに突き刺した。このゴールは、相良和弘監督のゲームプラン通りのものだった。「ミドル(シュート)を大切にしていたので、早い段階で彼のいいところが出た」。守備を固めてくることが予想された鴻城に対して、有効打となるミドルシュートを打てる引間の起用がズバリ的中した。「ビビったのか、なかなかボールに寄せられなくなった」と鴻城の竹田監督も、引間のミドルシュートが後手を踏む要因のひとつになったことを認めていた。

 そして、村上が前半26分から37分までの間で3点を決めてしまう。まずはキャプテンDF木村祥太郎(3年)のアシストからヘディングでゴール。木村のループパスをGK川島陸哉(3年)がこぼしたところをつめて追加点を奪うと、最後はスペースへ抜けたところをMF吉野巧人(3年)が見逃さず、浮き球のパスを通すと村上がしっかりと決めてハットトリックを達成。村上は今大会の得点数を「5」に伸ばした。

 前半アディショナルタイムには、FW谷戸捺希(3年)がチーム5点目となる直接FKを沈め、最初の40分を終えた。

 後半開始と同時に、村上、谷戸、吉野を下げた帝京三だが、後半もゴールラッシュは止まらない。カウンターから引間が2ゴール目を挙げると、途中出場で今大会初出場を果たしたFW藤本夏知(3年)が2ゴールを奪い、8-0。3回戦進出を決めた。1回戦では出番のなかった引間と藤本が2得点ずつを取ったことに対して、「チームに勢いをつけてくれたし、雰囲気もよくなるし、今日休めた選手もいるし」と相良監督は結果だけでなく、内容にも手応えをつかんでいた。

 選手権でも、総体でも、帝京三は準々決勝進出を果たしておらず、監督にとっても、選手にとっても悲願といえる。「一番大きな大会でチャレンジできる」と指揮官も期待する次戦、帝京三はこれまで越えられなかった「8強」の壁に挑む。前年度準Vの前橋育英高(群馬)と対戦する3回戦は、3日14時10分、フクダ電子アリーナでキックオフとなる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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