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[選手権]前回王者・星稜、中京大中京振り切り4大会連続8強へ

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[1.3 全国高校選手権3回戦 星稜高 1-0 中京大中京高 浦和駒場]

 第94回全国高校サッカー選手権は3日、各地で3回戦を行い、浦和駒場スタジアムの第1試合では星稜高(石川)と中京大中京高(愛知)が対戦。前半をスコアレスで折り返した試合は、後半4分にセットプレーから先制した星稜が逃げ切って1-0の完封勝利を収め、4大会連続のベスト8進出を決めた。

 前半5分にシュートチャンスを迎えたのは星稜だった。右サイドのMF根来悠太(3年)のパスからPA内に進入したDF加藤貴也(3年)が鋭いシュートを放つが、好反応を見せたGK岩本大輝(3年)に弾き出されてしまう。その後も主導権を握って試合を進める星稜は同10分、味方の落としを受けた加藤が右足シュートで狙ったものの、ボールはゴール右に外れた。

 さらに前半13分にはCKからDF東方智紀(3年)がドンピシャのタイミングで放ったヘディングシュートがクロスバーを叩くなど、星稜がゴールを脅かし続ける。対する中京大中大は星稜の前線からのプレッシャーに苦しみ、最終ラインからロングボールを送る場面が多くなるが、星稜2CBの東方とDF岡田勇斗(2年)にはね返されてなかなか攻撃の形を作れない。

 しかし、徐々に敵陣深くまでボールを運ぶ場面を作り出すと、前半34分にはMF辻星哉(3年)のCKから、ゴール前のMF井村早良(1年)が狙うがネットを揺らすには至らなかった。さらに同39分にはFW柳完治(3年)の浮き球のパスから抜け出した井村がGK坂口璃久(3年)との1対1を迎えるが、シュートは距離を詰めた坂口にストップされてしまう。

 星稜の河崎護監督は優位に進めた前半をこう振り返る。「決定機を決められなかったですし、相手のカウンターを食らうところもあったので、負けゲームになりそうな雰囲気もありました。でも、0-0で折り返せたのは良かった」。

 そして、スコアレスのまま迎えた後半も立ち上がりから好機を生み出す。後半3分、坂口のフィードをFW大倉尚勲(3年)がヘッドですらし、PA内に走り込んだ加藤が左足で狙ったシュートは岩本にセーブされたものの、同4分にMF大橋滉平(3年)が蹴り出した鋭いFKの流れから最後は岡田が押し込んで星稜が先制に成功した。

 反撃に出たい中京大中京は後半5分、ミドルレンジから辻が強烈なシュートを枠内に飛ばしたが坂口に弾き出されてしまう。1点をリードした星稜も同10分、右サイドからボールを運んだ大蔵がミドルシュートでゴールを脅かしたもののクロスバーに弾かれ、さらに同13分には加藤が至近距離からシュートを狙うがゴール右に外れた。

 攻勢を掛ける星稜は後半17分、右サイドを一気に駆け上がったDF助田航平(3年)のグラウンダーのクロスの流れからMF阿部雅志(3年)が狙いすましたシュートを放ち、同27分には左サイドのDF六田邦宏(3年)のラストパスからDF木出雄斗(2年)が好機を迎えるも、ともにシュートは枠を外してしまう。

 すると後半30分、中京大中京は大会前の練習で左ハムストリングを負傷したキャプテンのMF石川将暉(3年)を最前線に投入して状況を打開しようと試みる。幾度となく迎えるセットプレーで辻が高精度のキックを送り、両サイドからも果敢にクロスを放り込むものの、粘り強い守備を見せる星稜にはね返し続けられ、同40分には至近距離から放ったDF水口豪(3年)のシュートも東方にブロックされて万事休す。1点を守り抜いた星稜が1-0の完封勝利を収めて、準々決勝へと駒を進めた。

 4年連続ベスト8へと導いた河崎監督は「最後は中京の頑張りに屈するところでしたが、過去3年間、厳しいゲームを経験したこともあり、声を出し続けて乗り切れたと思います」と振り返ると、「彼らは一戦一戦、チームとして良くなっていくと感じます。2日後の試合も星稜らしくアグレッシブにプレーしたい」と準々決勝の明徳義塾戦に視線を向けた。

(取材・文 折戸岳彦)
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