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[MOM1672]東福岡GK脇野敦至(3年)_東京五輪の守護神候補が魅せた!アウェーのスタンド静める2本のPKセーブ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 東福岡高 0-0(PK4-3)市立船橋高 フクアリ]
 
 夏の全国高校総体決勝の再戦となった市立船橋高戦は前回と同じくPK戦決着。主役となったのは「チーム全体で守備して、攻めて、みんな頑張ってくれていたので、ここで自分が結果出さないと、という気持ちがありました」という東福岡高のU-18日本代表候補GK脇野敦至(3年)だった。

 まず本人が「あそこ止めたのが結構大きかったですね」と振り返った2人目・MF工藤友暉(3年)のキック。工藤は全国高校総体決勝の後半ラストプレーでブレ球FKをねじ込まれた因縁の相手だった。その試合はPK戦の末に勝利したものの、FKについて「本当に反省すべきところ。あそこで対応しなければ、次のステップには行けない」と悔しさを募らせていただけに“リベンジ”達成。「FKとかCKでモーションが印象強かったので、それで右に来るかなと思って右に飛びました」と完璧にセーブし、「彼が一本止めてくれればチームとしても流れが確実にくると思っていました」という森重潤也監督の期待に見事応えた。

 そして5人目。先攻の東福岡はMF三宅海斗(3年)が左足シュートを止められてしまったが、すぐに背番号11の下へ駆け寄った守護神は「オレに任せてくれ」と言葉をかけてゴールへと向かう。そして「インターハイで入れられてコースとかモーションが頭の残っていました。読みが当たったという感じですね」と右へ跳んでストップ。全国総体では相手のシュートが枠を外れて決着となったが、今度は自力で勝利を手繰り寄せた。地元・千葉代表の市立船橋を応援する声が多い中、「止めた時、(地元・市立船橋を応援するスタンドが)シーンとなったのでそれがちょっと嬉しかったです」という守護神は「チームを救ったという感じ?」という問いに対して「それはありますね」と微笑んだ。

 この日は前半は逆光の影響と相手がミドルシュートを狙ってくることもあって飛び出しの判断が遅れ、ピンチを招くシーンがあった。だが、前半21分にはDFライン背後への抜け出しに対応して至近距離からのシュートをストップ。後半は相手がCKの数を増やしたほか、決定的なシーンをつくられたが、「コーチングの質だったりは結構意識していたのでその質は上がってきたかなと思います」というとおりにDFを動かして最後までゴールを守りぬいた。

「ヤマだと思っていた」市立船橋戦を突破。同じくゴールを守った昨年敗れた3回戦を乗り越えたが「まだ終わっていない。一戦一戦戦っていきたい」と引き締める。昨年、東京五輪世代のU-18日本代表候補に名を連ねたGKの目標は夏冬連続日本一。それを達成して、代表守護神の座獲得へのアピールを果たす。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
 
(取材・文 吉田太郎)
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