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[MOM1673]星稜MF大橋滉平(3年)_前回優勝味わうも…“苦しく悔しい1年”を乗り越え輝く攻撃の核

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 星稜高 1-0 中京大中京高 浦和駒場]

 右足から蹴り出された鋭いボールがゴールを襲う。星稜高(石川)MF大橋滉平(3年)の直接FKは、ネットを揺らすことはなかった。しかし、ゴール前の混戦から最後はDF岡田勇斗(2年)が右足で押し込んで、チームを4年連続ベスト8へと導く決勝ゴールが生まれた。

 中盤の底から正確なパスで攻撃を操る大橋は、得点に結び付いたFKを「(河崎護)監督から『シュート性のボール』という指示がありました。良い位置だったし、角度も少しあったので、ゴール方向に速いボール、誰も触らなくても入るような強いボールを意識して蹴り込みました」と振り返った。

 新チーム始動時から、プレースキッカーを「やりたい」と志願した大橋。「自主練ではプレースキックの練習をよくやりますし、監督からも『蹴っておいた方がいいんじゃないか』とよく言われるので、時間があれば蹴り込むようにしています」とこの1年間、プレースキックを磨いてきた。迎えた今大会、初戦となった2回戦・玉野光南戦で後半7分にCKからMF片山浩(2年)の得点をアシスト。そして、中京大中京でも決勝点を導き、2試合連続で得点を演出した。「セットプレーから得点を取れるのはチームにとっても大きいと思うし、僕の蹴るボール次第だと思っています。そこで2点に絡めたというのは、キックに自信を持ってもいいのかなと思います」と自身の武器に自信を深めている。

 頂点まで上り詰めた前回大会では、2年生ながらも登録メンバー入りを果たした。しかし、ベンチ入りした試合はありながらも、一度もピッチに立つことなく、優勝の瞬間を迎えた。チームの初優勝は当然、うれしかった。しかし、「本当に試合に出たかったので苦しい部分がありましたし、試合に出られないまま優勝したという悔しい1年間を過ごしてきました」と語ったように、ピッチに立てない悔しさは相当なものだった。

 あれから1年――。大橋はチームにとって、なくてはならない存在として大舞台に帰ってきた。「今ピッチに立てているのは本当に幸せなことです。自分に関わってくれているすべての人に感謝しながら、サッカーをしないといけないと思います」とピッチに立てる喜びと周囲への感謝を持ちながらプレーをしている。

 再び頂点に立つには、あと3試合勝たなければならない。「最後には一番上に立っていたい気持ちが強いです」と前置きしつつも、「でも次の、目の前の1試合に集中して自分の持てる力をすべて出さないといけません。勝って(準決勝の行われる)埼スタ行きを決めたいと思います」と一戦必勝を誓った。次こそはピッチ上で歓喜を味わうために、攻撃の核はチームのためにすべての力を出して戦い続ける。

(取材・文 折戸岳彦)
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